住人のニーズに寄りそう「団地特化型コンビニ」は普通の店舗とどう違う?

2017年12月22日 08:00

団地の活性化や住人の利便性向上のため、UR賃貸住宅を運営する都市再生機構が、2016年7月にコンビニ大手3社と、さらに2017年4月にもう1社と提携して、「団地特化型コンビニ」を展開する計画が発表されました。それを踏まえて今年4月、1号店「セブンイレブンJS美住(みすみ)一番街店」が東村山市に開店。新たなコンビニの登場によって住人の方々の暮らしに変化はあったのか、一般店舗とどう違うのか、オープンから半年たった現地を訪れて調べてみました。
団地内コンビニは "近くて便利"。特に高齢者の利便性がアップ

東京都東村山市にある西武新宿線・久米川駅から10分ほど西へ歩いたところに見えてくる、総戸数945戸のUR賃貸住宅「グリーンタウン美住一番街」。その棟内に「セブンイレブンJS美住一番街店」があります。

店舗面積は約132m2とやや小さめなサイズ。外観は一般的なセブンイレブンと変わりませんが、店内配置や品ぞろえを見ていくと、団地住人の方々に寄り添うような店舗づくりの特徴が見られます。どんな違いがあるのか、店長の金子興人(かねこ・きよと)さんに案内していただき、さらに、自治会会長の横山恭子(よこやま・きょうこ)さんに店舗利用についての思いを伺いました。

【画像1】左/外観からは一般的なコンビニとの違いはうかがえません。右/桜並木や植栽に彩られた「グリーンタウン美住一番街」。閑静な敷地内には西武鉄道の古い車両を再利用した「くめがわ電車図書館」も(写真撮影/金井直子)
【画像1】左/外観からは一般的なコンビニとの違いはうかがえません。右/桜並木や植栽に彩られた「グリーンタウン美住一番街」。閑静な敷地内には西武鉄道の古い車両を再利用した「くめがわ電車図書館」も(写真撮影/金井直子)
【画像2】「セブンイレブンJS美住一番街店」店長の金子興人さん(左)と「グリーンタウン美住一番街」自治会会長の横山恭子さん(右)。JS美住一番街店は自治会や住人の皆さんとのお付き合いを大切にしています(写真撮影/金井直子)
【画像2】「セブンイレブンJS美住一番街店」店長の金子興人さん(左)と「グリーンタウン美住一番街」自治会会長の横山恭子さん(右)。JS美住一番街店は自治会や住人の皆さんとのお付き合いを大切にしています(写真撮影/金井直子)

「まず店づくりに当たって約200世帯の住人の皆さんに、アンケートにご協力いただきました。どんな商品を置いてほしいのかという質問に対して、野菜や果物、日用品を充実させてほしいというご要望が特に多かったですね」と店長の金子さん。

下の写真にあるように食品など充実した品ぞろえで、離れた店舗へ出向くことが難しい高齢の方々や子育て中の世帯にとって、日々の買い物がしやすい環境となっています。まさに「近くて便利」というセブンイレブンのキャッチフレーズのとおり。

【画像3】野菜と果物は多いときで20種ほど並ぶことも。お惣菜、生鮮食品は一般のコンビニよりも充実しています。オリジナルブランドのセブンプレミアム商品も多種(写真提供/日本総合住生活)
【画像3】野菜と果物は多いときで20種ほど並ぶことも。お惣菜、生鮮食品は一般のコンビニよりも充実しています。オリジナルブランドのセブンプレミアム商品も多種(写真提供/日本総合住生活)
【画像4】他店では雑誌が置かれている入口近くには日用品がずらり。12ロールのトイレットペーパーや各種洗剤など、小さなスーパーマーケット並みの品ぞろえ。お米売り場も充実しています(写真撮影/金井直子)
【画像4】他店では雑誌が置かれている入口近くには日用品がずらり。12ロールのトイレットペーパーや各種洗剤など、小さなスーパーマーケット並みの品ぞろえ。お米売り場も充実しています(写真撮影/金井直子)

近年、団地住人の高齢化や"買い物難民化"というニュースを見聞きするようになりました。2015年の国勢調査によると、全国の65歳以上の割合は26.6%であるのに対して、UR賃貸住宅の住人では34.8%(2015年のUR賃貸住宅居住者定期調査)と、団地の高齢化が顕著となっています。

グリーンタウン美住一番街でも高齢化は例外ではなく、徒歩圏内にスーパーマーケットがあるとはいえ、重い荷物を歩いて持ち帰るのに苦労していた高齢の方も多かったそうです。そうした事情を配慮した結果が現在の品ぞろえにつながります。

自治会の横山恭子さんにお話を伺いました。
「お惣菜や食品は少量のものが多くて、私のようなシルバー世代にとって買いやすいですし、何よりおいしいですね。近いからすぐに来られてコンビニは冷蔵庫代わり。自宅に大量に買い置きしておかなくてもよくなった点が気に入っています。コンビニエンスストアって若い人向けのお店だと思っていて入りづらかったのですが、逆に、高齢者も利用しやすいお店だということを今では実感しています」

【画像5】車椅子でも通りやすいよう通路幅を広めに。ドリンク売り場は扉のないショーケースにして、車椅子の方や扉を開けるのが大変な高齢の方が、商品を手に取りやすいようにしています(写真撮影/金井直子)
【画像5】車椅子でも通りやすいよう通路幅を広めに。ドリンク売り場は扉のないショーケースにして、車椅子の方や扉を開けるのが大変な高齢の方が、商品を手に取りやすいようにしています(写真撮影/金井直子)
【画像6】車椅子でも入れるように段差がなく、手すりもついた広々トイレ(写真撮影/金井直子)
【画像6】車椅子でも入れるように段差がなく、手すりもついた広々トイレ(写真撮影/金井直子)
500円以上の注文なら家まで届けてくれる宅配サービスも

セブンイレブンには、お店に出向くことが難しい方にとってうれしいサービスがあります。宅配サービス「セブンミール」です。お弁当1個だけでも送料無料で自宅まで届けてくれるので、特に、足腰が弱った方や乳幼児を育児中の方、食の細い方、毎日の食事の準備が負担と感じている方などには利用価値が高いのではないでしょうか。

宅配の対象となるのは、栄養バランスを考慮した日替わりのお弁当・おかずセットをはじめ、セブンイレブンで販売している多くの食品や一部の日用品など。税込500円以上の注文で送料無料となります。配達時間は昼便と夜便のいずれかを選べて、1回だけなど単発の注文が可能です。

これは、「団地特化型コンビ二」独自のサービスというわけではなく、全国のセブンイレブンで提供されています(※注:一部地域は料金が異なります)。ネットスーパーや食材宅配のように、例えば「5000円以下の注文では送料350円がかかるからまとめ買いをする」といったような買い方ではなく、必要度や暮らしに合わせて、少量からフレキシブルに買える点が便利。筆者も、実家に暮らす親にお弁当や食品を届けるため、時々便利に利用しています。

店長の金子さんによると、現在の利用者数はそれほど多くはないとのこと。「団地以外も含めて7軒ほどのお宅にご利用いただいています。栄養バランスの良い夕食を取りたいという方が日替わりのお弁当をご注文されたり、お米やミネラルウォーターなどの重いもの、トイレットペーパーなどかさ張るものなどのご注文もよくいただきます」。便利なので、今後利用者がもっと増えるのではないかと感じました。

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