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世界が認めた日本一美味いラーメン「和歌山ラーメン」

2015年3月20日 11:09

日本各地に根付いた「麺料理」を求めて、全国を巡る「ご当地ヌードル探訪」。今回は、世界遺産「熊野古道」があり、江戸時代には徳川御三家の一つ紀州藩があったことでも名高い、和歌山県にやってきました!

JR和歌山駅。今年の秋には和歌山では44年ぶりとなる、和歌山国体が開催されます。
JR和歌山駅。今年の秋には和歌山では44年ぶりとなる、和歌山国体が開催されます。
和歌山駅構内の案内所でもらえる、食べ歩きマップ。ハシゴするにも便利。
和歌山駅構内の案内所でもらえる、食べ歩きマップ。ハシゴするにも便利。

今回の目的地は駅の西口をでて、駅から5、6分の道のり。到着したのがこちら、「井出商店」さんです。

和歌山ラーメンのお店で真っ先に名前が挙がる名店です。

黄色い看板が眩しい井出商店さんの外観。
黄色い看板が眩しい井出商店さんの外観。

お店の前に着くと、扉を開ける前から豚骨を炊く独特の香りが鼻をくすぐります。豚骨好きには、心踊るスパイスです♪

両側に赤色のカウンター席、真ん中に大きなテーブル席がある店内。
両側に赤色のカウンター席、真ん中に大きなテーブル席がある店内。

「いらっしゃい!」と温かい声で迎えてくれたのが店主の井出紀生さん。和歌山ラーメンを全国的に有名にした立役者です。

井出さん「母が昭和28年に屋台で初めて、今年で62年。いままで続けてこられたのは、地元の、そして全国から食べに来てくれるお客さんのおかげです」

そう優しく話してくれた井出さんに和歌山ラーメンについて色々聞いてみました。和歌山ラーメンには「車庫前系」と呼ばれる澄んだしょうゆスープと、「井出系」と呼ばる白濁した豚骨しょうゆスープの二種類があるそうですが、この井出系ってつまりこちらのお店発祥ってことですか?

井出さん「はい、そうです。最初はうちも澄んだしょうゆスープだったのですが、店が繁盛し始め、客足が多くなってくると、それだけスープが煮詰まるようになったんですね。それを飲んでみたところ、まろやかなコクがありおいしかった。そこで、最初から長時間炊いたスープを作り、お客さんに出したところ人気になり、今のうちの味になったんです」

なるほど。失敗から生まれた味なんですね。これだけ全国で愛される味ですから、豚骨以外になにか特別なものが入っているに違いないですよね?

井出さん「いえ、豚骨と少量の鶏ガラだけです。香味野菜も入れません。それをいまは12〜13時間ただ炊いているだけです。だから誰でも作れると思うんです(笑)

ご謙遜を!その味が評価され、ここまで広まった井出商店の和歌山ラーメン。お話を聞きながら、味の想像を巡らせていたのですが、実際に食べたほうが早いと、スタンダードな「中華そば」を注文しました。

メニューは、「中華そば」とチャーシューが多くのった「特製中華そば」、それぞれの大盛りのみ。
メニューは、「中華そば」とチャーシューが多くのった「特製中華そば」、それぞれの大盛りのみ。

和歌山ラーメンって呼ばれてるのに、「中華そば」なんですね?

井出さん「和歌山ラーメンは戦後の屋台から始まっているので、その頃の名残で、今もほとんどの店で『中華そば』と呼ばれています」

ご家族で協力して作られていくラーメン。
ご家族で協力して作られていくラーメン。
12〜13時間炊くという豚骨スープ。
12〜13時間炊くという豚骨スープ。

さて、ラーメンを待っている間にテーブルを見ると気になるものがあります。「ゆで卵」と「巻きすし」、そして「早すし」なるもの。この早すしってなんですか?

テーブルに並ぶサイドメニュー、ゆで卵(50円)、巻きすし・早すし(150円)。
テーブルに並ぶサイドメニュー、ゆで卵(50円)、巻きすし・早すし(150円)。

井出さん「それは東京の人が言うところの、鯖のバッテラ寿司です。和歌山では、ラーメンが出てくるのを待つあいだ、早すしやゆで卵を食べるのが普通なんです。和歌山ラーメンの店には全ての店に必ず置いてあります。これも屋台時代からある特徴のひとつですね」

早すしは、発酵させて作る「熟寿司(なれずし)」に対して、一晩でできることからこの名前になったそう。
早すしは、発酵させて作る「熟寿司(なれずし)」に対して、一晩でできることからこの名前になったそう。

では、早すしを食べながらラーメンを待ちましょう。鯖の脂の味とさっぱりした酢の風味が口に広がり、とても美味しいです。これは待ってる間に食べると胃が刺激され、より美味しくラーメンが食べられそう!

そして、お寿司を食べている間にラーメンが到着しました!

待ちに待った中華そば(700円)。
待ちに待った中華そば(700円)。
麺は喉越しのよい細麺。
麺は喉越しのよい細麺。
具は、チャーシュー、メンマ、ネギ、そしてカマボコが乗ります。
具は、チャーシュー、メンマ、ネギ、そしてカマボコが乗ります。

テーブルに置かれると、豚骨スープのいい香り。クセがあるかと思いきや、非常にまろやかでコクのあるスープです。臭みはほとんどありません。最初は豚骨の甘み、そして次に醤油の風味が追いかけてきます。

麺は細麺のストレートタイプ。小麦の風味がしっかりと感じられ、しなやかなとても喉越しの良い麺です。また、麺との麺の間にスープがしっかりと入り、吸い上げがよく、レンゲを使わずとも、スープとの一体感がバッチリ!

具もシンプルながら、脂と肉のバランスが程よい柔らかチャーシュー、歯ごたえの良い味のしっかりしたメンマと口を楽しませてくれます。気になるのはカマボコ、なぜナルトじゃないんでしょうか?

井出さん「それも、和歌山ラーメンの特徴で、昔からカマボコなんです。うちは最初『の』の字の入ったカマボコを使っていたのですが、今は和歌山特産の梅にちなみ、梅の花型のカマボコを使っています」

見た目もかわいらしくていいですね!

井出商店さんは数々のテレビ番組で「美味しいラーメン」と評価されているだけでなく、なんと以前にアメリカの主要テレビ局に「日本一美味しいラーメン」として全世界に紹介されたことがあるのだとか!

井出さん「理由は私たちに教えてくれなかったのですが、反響はすごくありました。一番すごい時は3時間待ちという日もあったぐらいです。有名になって大変な時期もありましたが、それでもやってこれたのは、地元の方、そして県外からわざわざ食べに来てくれるお客さんの『美味しかった』という声があったからですね」

井出商店さんでは、地方のイベントなどにも積極的に参加されています。いまでは、和歌山県を代表する観光資源とも言えますね!

井出さん「和歌山は、熊野古道など名所はたくさんあるのですが、交通の便があまり良くないため、観光客が来にくいところがあるんです。そこで、和歌山ラーメンが訪れるきっかけになり、和歌山を少しでも盛り上げられればと、参加させていただいています。これからも機会があれば、積極的に参加していきたいですね」

店員さんたちの絆を感じるスタッフTシャツ。
店員さんたちの絆を感じるスタッフTシャツ。
これからも母から受け継いだのれんを守っていきたい」と井出さん。
「これからも母から受け継いだのれんを守っていきたい」と井出さん。

地元和歌山を愛し、地元の人から愛されてきた和歌山ラーメンは、いまや日本中、いや世界の人たちから愛される味になりました。それは、真摯に母から受け継いだのれんを守り続けてきた、その姿勢から生まれた結果なのではないでしょうか。

店舗情報

●井出商店

住所:和歌山県和歌山市田中町4−84

電話:073-424-1689

営業時間:昼11:30〜23:30(木曜休)

※記事中の情報・価格は取材当時のものです。

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