彩られた紙―料紙装飾の世界―

2020年2月 5日 10:03

   料紙(りょうし)とは一般に書に用いる紙をいいます。今回とりあげる「彩られた紙」は、美しく染めた色紙(いろがみ)や、下絵を描き金や銀を蒔(ま)くなど、華やかに装飾された紙のことです。手漉き紙の場合、つくられたままの紙を生紙(きがみ)といいます。これに対し、加工された紙は熟紙(じゅくし)とよばれます。装飾を施すだけでなく、平滑にするために硬いもので叩いたり、白くする目的でデンプンなどの添加も行われました。このように加工された料紙の表面は、立体的で見た目よりも変化に富んでいます。顕微鏡や斜光線などを用いて観察すると、繊維の形状や配向性、添加物の有無、紙の表面の情報などから、その特性や装飾の技法を明らかにすることができます。たとえば国宝「古今和歌集序」の料紙は、竹の繊維を原料とし、表面に布目を付けた上に、さまざまな色の胡粉を塗り、雲母摺りや空摺りの技法で吉祥文様を表現しています。さらに美しくみえるように色と文様の組み合わせを考えながら仕立てた巻子に本文を書いたものです。布目の上に書いた文字の線は途切れている箇所がたくさんあります。平安時代の人々は、文字の書きにくさを楽しんでいたかのようです。本展では、奈良時代の写経から江戸時代の大津絵にいたるまでの料紙を、顕微鏡による拡大画像とともにごらんいただきます。人々の願いや美意識が反映された各時代の料紙装飾に光をあて、託された祈りや夢、そして美の移り変わりを探ります。

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会期

2020年4月4日(土) ~ 5月24日(日)

会場

大倉集古館

所在地

〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-10-3(The Okura Tokyo 正面玄関前)

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