東尋坊って崖だけでしょ?→誤解です ドローン遊覧飛行に隠れザウルス...あなたの知らない「福井の魅力」教えます

2020年9月 7日 14:00
提供元:福井県
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福井県北部に位置する「東尋坊」。断崖絶壁の名所として、その名を聞いたことがある人は多いはずだ。全国的にも知名度が高く、福井を代表する観光地の1つと言っていいだろう。

だが、読者の皆様は、東尋坊についてどこまで知っているだろうか。

正直なところ、崖以外のイメージが思いつかない――そんな人も実は多いのかもしれない。

しかし、本当に崖しかないのだろうか。いや、東尋坊といえば北陸きっての観光地。きっと、魅力あふれるスポットが数多くあるはずだ。そんな思いから、千葉県生まれの筆者(福井県初上陸)は、東尋坊へと足を運んだ。

まずは結論から言おう。風光明媚な断崖から見える景色は素晴らしかった。だが――崖から見える景色だけ見て帰るのは、非常にもったいない。

下から眺めれば「恐竜」に遭遇...。上空150メートルから断崖絶壁を見下ろすことも。そんな東尋坊の魅力をみなさんにもお伝えしたい。

遊覧船に乗っていると...「恐竜」に遭遇!

筆者は東京駅から北陸新幹線に乗って金沢駅へと向かった。

そこから福井方面行きの特急しらさぎに乗車し、芦原温泉駅で降車。あの断崖絶壁を目指すべく、車を20分ほど走らせた。駐車場に車を停め、海鮮グルメやお土産処が立ち並ぶ「東尋坊商店街」を歩いていると、じんわりと汗が滲んできた。天気は良好で、ジリジリと太陽が照っていた。

筆者が東尋坊を訪れたのは、2020年夏のある日のことだ。

風情ある商店街
風情ある商店街

前へ足を進めると、潮風が。暑さを吹き飛ばすように、筆者の眼に深い青色の海が姿を見せた。

高台から撮影
高台から撮影

ゴツゴツとした岩場...、まさにイメージ通りの東尋坊だ。

横幅約1キロに渡って柱状節理と呼ばれる岩々が続き、その断崖絶壁は「世界三大絶勝」の1つに数えられている。また、国の名勝・天然記念物にも指定されているのだ。

岩先に人の影が見えるだろう。そう、東尋坊には手すりなどはなく、まさに「崖っぷち」まで進むことができるのだ。

筆者も、崖の先を見ようとポンポンと岩肌を蹴って先端を目指した。

腰が引ける筆者。「がけっぷちTシャツ」は、商店街にある「ギャラリーあしや」にて購入
腰が引ける筆者。「がけっぷちTシャツ」は、商店街にある「ギャラリーあしや」にて購入

岩の先端に日本海の荒波があたり、白波が立つ様を見たかったのだが、腰が引けてしまって真下まで覗きこめなかった。

限界まで近づいて、撮影したもの
限界まで近づいて、撮影したもの

岩壁を覗きたく、写真を数枚撮っていると筆者の耳元に

「サスペンスドラマのロケ地としても知られる東尋坊。その絶壁を下から覗いてみましょう」

といったアナウンスが聞こえてきた。

下から「崖」を見たい人にオススメなのが、東尋坊の近くの島や岩々を周遊する「東尋坊観光遊覧船」である。

クルージングを楽しみながら、絶景を楽しむことができる。案内をしてくれたのは、同社代表取締役社長・阪本浩三(55)さんだ。

東尋坊観光遊覧船の代表取締役社長・阪本浩三さん
東尋坊観光遊覧船の代表取締役社長・阪本浩三さん

ここで遊覧船に乗って約30年。そんな彼が語る東尋坊の魅力は、上からではなく、船から見える柱状節理と岩々の美しさだ。

「世界的にも地質学的にも珍しいモノで、直に目にすることが出来る体験は遊覧船ならではです」

彼が指さす先には、岸壁沿いに停泊した遊覧船があった。一般料金は大人1500円、子供750円で所要時間は約30分だ。

出航
出航

東尋坊の船乗り場を出航し、向かった先は日本海の荒波によって形成された岩々である。

船からは、ライオンに似ている岩や巨大なハチの巣といったユニークな岩を見ることができる。

左上が「ライオン岩」。右上が「ロウソク岩」。左下が「ハチの巣岩」で、右下が「夫婦岩」
左上が「ライオン岩」。右上が「ロウソク岩」。左下が「ハチの巣岩」で、右下が「夫婦岩」

ライオンやロウソクをモチーフに名付けられた岩が姿を見せた。ハチの巣岩は、見たまま巣と分かるだろう。ライオン岩には、画面中央に右を向いた「ライオン」がいる。

そして、福井県ならではの岩もある。発見されたのは2017年春で、比較的新しい。みなさん、何に見えるか分かるだろうか。

何に見える?
何に見える?

奥まった岩壁。その中央部分に注目してみて欲しい。福井県といえば...、恐竜だ。

阪本さんが話すには、東尋坊の新たな魅力を探そうと岩壁をめぐっていたところ、ある従業員が見つけたモノのようで...。その名も「隠れザウルス」である。

ジュラシックパークのロゴみたい(点線は、編集部編)
ジュラシックパークのロゴみたい(点線は、編集部編)

従業員から「恐竜に見えるところがある」と聞いたときは、阪本さんも驚いたそうだ。

「風貌が恐竜にそっくりですよね(笑)。『隠れザウルス』目当てで遊覧船に乗られるお客さんも多いですよ」

岩場から見える景色も迫力満点だが、下から見ても迫力がある東尋坊。まさか東尋坊で「恐竜」に会えるとは、なんだか得した気分だ。

クルージングの終わりには「大池」と呼ばれる高さ約23メートルの岩肌間近まで船が近づいた。

筆者が覗き込んだ岩壁の真下
筆者が覗き込んだ岩壁の真下

筆者が「がけっぷちTシャツ」を着衣しながら、覗き込もうとした場所の真下の様子である。これぞ柱状節理である。どこか規則的に並んだ岩肌は、カメラに収まりきらないほど広大であった。

「東尋坊は上から見ても、下から見ても迫力がありましたでしょ」

と阪本さん。この東尋坊、もっと上から見たら、もっと違う光景が広がっているのではないだろうか。

150メートルの上空から東尋坊を見る

流石にヘリコプターを飛ばして、眺めることは難しい(予算的に...)。

ところが、あるサービスを使うと地上150メートルの高さから東尋坊を一望できるという。

こちらの写真をご覧いただきたい。

何をしているか、分かるだろうか
何をしているか、分かるだろうか

テーブルに肘をつき、頭に白い機械を装着している男3人組が見えるだろう。何をしているか、分かるだろうか(ちなみに筆者は一番右に座っている)。

筆者の後ろにあるポスターに注目してほしい。そこには、デカデカとした文字で

「ドローンVRとVRゴーグルで疑似遊覧飛行体験 大迫力のリアルタイム映像」

と書かれている。そう、筆者はドローンを上空に飛ばして、その映像を生で見ることができるサービスを体験中なのだ。

百聞は一見に如かず。まずは、東尋坊の全貌がこちらである。

筆者がゴーグルを通じてみた景色。東尋坊を上空から
筆者がゴーグルを通じてみた景色。東尋坊を上空から

いかがだろうか。あれほど大きく見えた断崖絶壁が、まるでミニチュアのように小さく見える。東尋坊は、こんな姿をしていたのである。

真上から見た景色は、これまた圧巻だ。サービスを提供しているのは、バーチャルスカイ代表の上野浩幸さん(56)である。

何やら真剣な面持ち
何やら真剣な面持ち

真剣な面持ちで、目線を上にやっている。手元にあるのは、コントローラーだ。

ピコピコとゲームをしているわけではない。目線の先には、離陸中のドローンがあるのである。

ドローン離陸中...
ドローン離陸中...

大学では、機械工学を学んでいたという上野さん。電子工作などを趣味でやっているそうで、ドローンがリアルタイムで撮影する光景を、VRゴーグルに出力させているのだ。

「装置などもすべて、自分で独自で開発しました。音声や画像を回路で分配して、複数の方に楽しんでいただけます」

映像はリアルタイム。音声は上野さんが選曲した音楽がヘッドホンから流れる仕組みに
映像はリアルタイム。音声は上野さんが選曲した音楽がヘッドホンから流れる仕組みに

サービスを始めた理由は、自身がかつてパラグライダーをしていた時にさかのぼるという。空から見える景色が綺麗で「そんな素晴らしい景色を多くの人と共有できないか」と思い事業を立ち上げ。上野さんの出身は福井県で、地元に貢献したかった気持ちもあるという。

「やっぱり東尋坊は、福井県で一番の観光地。その魅力をより高める貢献が出来たらと思っています」

恐竜の足のよう...
恐竜の足のよう...

ところで上空から見た、こちらの写真。先ほど遊覧船で「隠れザウルス」を発見できた筆者は、岩先(ちょうど白波立つところ)が恐竜の足のようにも、見えてしまった。こんなことを伝えてみると、認識はしていたそうで

「ドローンで上から見下ろして初めて分かりましたね。こんなふうに見えるんだなって。下からでは気づかないですよね笑。新しい発見でした。最初に飛ばしたときに、すぐわかりました。お客さんも、初めてのことだと思うので、楽しんでいただけているのかなと思いますね」

と話した。上野さんはVRゴーグルとドローンの組み合わせで、東尋坊を「見る」ことについて

「観光船に乗ったときの様子と、空から俯瞰(ふかん)したとき、また自分が直に岩場に立って見た様子、多面的な景色の見方がありますよね。そのチョイスを増やすことによって、お客さんにとって印象深い観光につながればいいなと思いますね」

と述べた。足腰が悪いという人や高所恐怖症の人は、岩場まで行かずとも、東尋坊の広大さを味わうことができることだろう。

ここまで、東尋坊を岩場から、遊覧船から、そしてドローンを使って上空から楽しんだ。

皆さんは、どこから見た景色が一番きれいだと思っただろうか。

インスタで大人気の「神席」

東尋坊の風景を味わいつくしたところで、腹が鳴った。やはり岩場を歩いて、船にゆられ、ドローンで疑似遊覧体験をすると腹がへる(?)のである。

東尋坊の岩場を歩いていると、こんなロゴが目に飛び込んできた。

スタバでもスナバでもなく「IWABA」
スタバでもスナバでもなく「IWABA」

まさか、スタバ...。いやいや、こちら東尋坊の岩場から徒歩10秒ほどにある「IWABA CAFE(イワバカフェ)」である。

どの席からも東尋坊の景色を楽しむことができ、コーヒーやシェイク、ビールなどのドリンクのほか、ハンバーガーやピザなどの料理を堪能できる。

広々とした店内には、太陽の光が差し込む
広々とした店内には、太陽の光が差し込む

中でも地元や観光客から人気の場所が。インスタグラムなどでは「神席」とも称される席だという。

人気の「神席」。目の前に日本海。雰囲気抜群だ
人気の「神席」。目の前に日本海。雰囲気抜群だ

2、3人が腰を下ろせるソファーの先から、日本海を一望することができる。なんてオシャレなんだろう。

男1人。隣に座っているのは、大量の「荷物」だけだが、オーナーオススメのコーヒーを片手に撮った写真は、まさに「映え」であった。

オシャレ
オシャレ

東尋坊のシーズンともなると、1日1000人は訪れるという人気のイワバカフェ。

店一番の売りは「どこの席からも見える海の景色です」だなんて、粋な回答をするのは、「IWABA CAFE」のオーナー・海道要(59)さんである。

海道要さん
海道要さん

生まれも育ちも福井県の海道さん。20代の時に喫茶店やパスタ屋を経営し、省エネ機器の販売会社も運営していたという凄腕の彼。「いつかはカフェをやりたい」という思いから、2016年7月に「岩場」でお店を開くことに。

スタバでもなくスナバ(鳥取)でもなく「イワバ」カフェ。ちょっとだけスタバを意識したそうだが、名前もロゴも商標登録されているという。ロゴには、岩場に波、下部に「東尋坊」とある。由来は単純で、岩場近くに店があったからだそうだ。

コーヒーの豆はキリマンジャロを主軸に5種類程度の豆をブレンド。苦さを売りに老若男女に人気だそうだ。

また若い人は、コーヒーのほかに生乳100パーセントのシェイクをよく注文するという。

左からヘーゼルナッツ、コーヒー、キャラメル味
左からヘーゼルナッツ、コーヒー、キャラメル味

牛乳を凍らせた氷を使っていて、時間が経っても味が薄くなることがないという。また粗目のバンズで人気の高い「超あらびき岩バーガー」や「九頭竜まいたけとベーコン」のピザは、熱々でジューシー。抜群のロケーションも相まって、至福の時間を過ごすことができた。

肉汁ドバドバ。九頭竜まいたけも歯ごたえ抜群だった
肉汁ドバドバ。九頭竜まいたけも歯ごたえ抜群だった

旅の最後は温泉と決まっている

「崖」だけじゃない東尋坊の魅力は、まだある。

もう少し「食」をご紹介する。東尋坊商店街にひと際目を引く店がある。越前がにの看板が目印の「やまに水産」だ。

やまに水産
やまに水産

福井といったら越前がに。そういきたいところだが、夏場はシーズン外。それでも、新鮮な魚介を使った網焼きや海鮮丼などを味わうことができる。

海鮮丼
海鮮丼

はまぐり
はまぐり

注文したのは店員オススメの「海鮮丼なぎさ汁付」と「はまぐり」。

海鮮丼にはマグロや鯛、甘えびやイクラ、ウニといった新鮮な魚介がたっぷり。はまぐりはレモンを垂らすと塩気と酸味が程よく混ざり合い、口の中はミルク風味に。

身体に潮風を浴び、舌で海鮮モノを味わいつくした筆者。

最後は、やっぱり温泉だろう。

東尋坊から車で8分ほど。「東尋坊温泉三国観光ホテル」を日帰りプランで利用した。

三国観光ホテル
三国観光ホテル

温泉を案内してくれたのは営業部支配人の谷口不二彦(56)さんだ。

脱衣所からドアを開き、数メートル歩くと目に飛び込むのは8角で囲まれた「龍翔の湯」。天井の窓から降り注がれる日の光で湯はクリアブルー色に。

龍昇の湯
龍昇の湯

湯の温度は42度で、夏場は子供や海で日にあたって来る人が多いため41度にするという。

大きな湯銭の両手には季節に合わせて草木の色が変化する露天風呂「風月の湯」と、畳が敷き詰められた「和畳の湯」がある。

畳の湯...?なかなかお目にかかることは少ないのではないだろうか。

手前には寝湯がある
手前には寝湯がある

温度は39度。寝ながらゆっくりと入っていただくために、低めに設定しているという。注目すべきは、和畳。吸水性の高いセラミックスを使用し、滴った水滴は一瞬で消える仕組みになっている。どんなに足裏が濡れていても、滑りにくいのだ。

男湯には梅。女湯には鯉をあしらった畳が用意されている
男湯には梅。女湯には鯉をあしらった畳が用意されている

開放感は抜群に高く、畳の湯の奥にあるミストサウナで体を温めた後に、大の字で畳に寝転がるのは、至福のひと時である。窓からこぼれる外気を全身に浴びてみてはいかがだろうか。

見て、食べて、飲んで、入浴して...

東尋坊は断崖絶壁だけじゃない、魅力満点なスポットだ――そう自信をもってオススメできる。そんな旅だった。

<企画編集・Jタウンネット>

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