日本海軍「伊号潜水艦の潜望鏡」が東京駅に? 謎の柱の正体をJRに聞いた

2020年3月16日 06:00

潜望鏡である可能性は低い

広報課の担当者によると、この柱は15年10月2日から東京駅で展示されている。

1915年に開業した東京ステーションホテルは、45年、戦災により一時休館となった。復旧工事を行い、営業を再開したのが51年。担当者によると、展示されている円柱はこの工事の時に、ホテルの1階の柱として使われ始めたと考えられるそう。

「この復旧工事の図面には、当該柱について『ステンレススチールパイプ径150』との記載があり、現地の調査によって確認した寸法(径160ミリ)とほぼ同様であることが判明しました。したがって、柱は戦災から復旧工事の際に設置されたものと思われます」(担当者)

柱は、丸の内駅舎を創建時の外観を再現するために行われた保存・復原工事でホテルが休館する2006年まで、半世紀以上にわたってホテルを支え続けた。これが伊号潜水艦の潜望鏡であるとするプレートは、「1987年以降に設置されたと思われるが、詳細は不明です」。

気になるのは本当に「伊号潜水艦の潜望鏡」だったのかどうかだが、残念ながら、その可能性は低いことが調査によって明らかになっているという。東京駅での展示では、柱の脇にその旨を補足する案内板が設置されている。

なぜこのように言われ始めたのかも、詳細は分からないそう。ただ、

「東京ステーションホテルでは、戦災後の復旧の際、材料不足等から軍の廃材等を使う発想が活かされたと伝えられていました」

とのことだ。

東京駅で展示されるようになった経緯については、

「当時、構造部材としてあまり使用しなかったステンレス鋼管を使用していることから、潜望鏡ステンレス鋼管の製造元と何らかの関係があると思われること、
また、2006年にホテルが閉業するまでお客さまに長く親しまれた柱であることから、東京ステーションホテル100周年にあわせて展示し、駅の魅力を向上させることにしました」

と担当者。潜望鏡である可能性は低いが、全く関係がない、というわけでもないのかもしれない。

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