寂しい...書店の街・池袋を引っ張った「リブロ」が間もなく閉店

2015年6月 4日 06:00

東京・池袋の大型書店リブロが、2015年7月20日をもって閉店する。入居する西武百貨店との出店契約が満了するためだ。個性的な売場で時代をリードした書店だけに、営業終了を惜しむ声が上がっている。

池袋本店は2009年10月に大幅リニューアルした。カラーによるゾーニングは「分かりやすい」と利用者に好評で、改装前と比べて客足は明らかに増えていた。その6年後に閉店するとは誰も想像できなかっただろう。

リブロ池袋本店(編集部撮影)
リブロ池袋本店(編集部撮影)

80年代の日本で最も輝いていた書店

リブロが誕生したのは1975年のこと。増床したばかりの西武池袋本店11階で営業を開始する。まだ「西武ブックセンター」という名前だった。
最初の売場面積は300坪。ニューアカデニズムや精神世界など個性的な品揃えは、12階の西武美術館とともに「文化の西武」のイメージを高める。
1979年には500坪の大増床に踏み切り、地域一番店に成長する。美術書、児童書、演劇書、コミック、そして詩の本の店「ぽえむぱろうる」などのコーナーを擁し、読書の虫を池袋に惹きつけた。

書店チェーンとして全国展開を進め、1988年度の売上高は166億円、33店舗に達する。書店小売業では丸善、紀伊国屋書店、有隣堂に次ぐ4位だった。そして翌1989年には現在の別館(当時の名称はSMA館)へ移動する。
しかしバブル崩壊でセゾングループは解体。リブロは現在、出版取次大手の日本出版販売(日販)の100%子会社となっている。

一方、同じグループだった西武百貨店は、2006年にセブン&アイ・ホールディングスに買収される。会長の鈴木敏文氏は日販のライバル、トーハン出身だ。
出版業界紙「新文化」の2015年3月4日付け記事によると、西武池袋本店で営業するリブロの存続問題は以前にも浮上したことがあり、2014年夏頃から賃貸契約の話は出ていたという。

実は西武池袋本店内にはもう一つ本屋がある。2010年9月にオープンした三省堂書店だ。売場面積はリブロより狭いが、1つの百貨店に2つの書店が同居するのは珍しい。

池袋の書店はジュンク堂の1人勝ちか

池袋は東京有数の書店の街だった。1980年代、洋書に強い「新栄堂書店」は東口、人文・社会系の本の総本山だった「芳林堂書店」は西口、大阪発の書店チェーン「旭屋書店」は東武百貨店池袋本店、学習参考書も手がける「三省堂書店」は池袋パルコに、それぞれ店を構えた。

このうち新栄堂書店は店をたたみ、芳林堂書店は向かいのビルに場所を移しコミックだけ扱う。
三省堂書店は1990年代に一度池袋から撤退したものの、再進出を果たしたのは先述の通りだ。

新栄堂書店のあった場所はマツモトキヨシに。
新栄堂書店のあった場所はマツモトキヨシに。
芳林堂書店のコミックプラザ。
芳林堂書店のコミックプラザ。
三省堂書店は池袋パルコ5階にあった。
三省堂書店は池袋パルコ5階にあった。

現在の池袋で最も大きな本屋は、リブロ池袋本店と明治通りを隔てた向かいにある「ジュンク堂書店」だ。1997年に1000坪で出店し、2001年に当時日本最大の2000坪に増床した。リブロで働いていた書店員の中には、ジュンク堂に転職した者もいる。
週末ともなれば店内は大勢の来場客で賑わい、5、6分待ちの行列ができることも珍しくない。

ジュンク堂書店池袋本店
ジュンク堂書店池袋本店

リブロそのものはまだまだ元気だ。2015年4月に埼玉県の新ショッピングモール「ららぽーと富士見」に出店したばかり。池袋でも別の場所で再開できないか物件を探しているという。

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