地方民は意外と区別がつかない? 田園調布と調布は何がどう違うのか

2015年5月26日 16:57

東京都大田区の田園調布は日本を代表する高級住宅地だ。東急東横線・目黒線田園調布駅から放射線状に銀杏並木が広がり、多摩川も近くを流れる。
分譲が始まった当初は中流サラリーマン層が住んでいたが、「住所が田園調布=成功の証し」と見なされるようになり、資産家や芸能人、作家が好んで住んでいる。

田園調布の復元駅舎(編集部撮影)
田園調布の復元駅舎(編集部撮影)

そんなセレブな田園調布から多摩川から13キロほどさかのぼると、もう一つの「調布」――東京都調布市に辿り着く。世田谷区の隣なのは一緒だが、街の雰囲気はまるで違う。

今回の地域対決シリーズ、似ているようで違う田園調布と調布を比較・対決する。

調布の貫録があるのはどっち?

調布という地名は、多摩川の清流を利用して古くから布が作られ、それが古代の税の一種である「調」として朝廷に納められたことに由来する。ルーツは一緒と見ていい。

多摩川に架かる丸子橋。右手奥が田園調布付近。
多摩川に架かる丸子橋。右手奥が田園調布付近。

1889年の段階では現調布市が「調布町」で、大田区の方が「調布村」だった。1928年に町に昇格するも、先輩の調布町に遠慮して「東調布町」を名乗った。4年後の1932年には東京市に組み込まれ、大森区(現大田区)田園調布となる。

調布市と田園調布は、地名の由来も名乗り始めた時期も変わらない。しかし田園調布が一時「東調布」と称したことを考えると、調布市の貫録勝ちだ。

ご当地キャラ&有名人はどちらが強力か

住民の入れ替わりが激しい田園調布。現在住んでいる著名人は、長嶋茂雄さんや野村克也さん、五木ひろしさん、鳩山由紀夫さん、石原慎太郎さん、小林よしのりさん、中井貴一さんなどビッグネームが並ぶ。

一方の調布市には妖怪が住んでいる。漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎は、2010年3月8日に調布市で特別住民登録を済ませた。調布市役所に行けば誰でも「ゲゲゲの鬼太郎特別住民票」がもらえる。作者である水木しげる夫妻も50年以上市内で暮らす。
また、調布市にゆかりのある実在する人物は意外と多い。新選組の近藤勇をはじめ、高田純次さん、中畑清さん、筒井道隆さんなど、挙げればきりがない。市域の広さを考えるとフェアな比較とはいえないが。

鬼太郎茶屋(yoppyさん撮影、Flickrより)
鬼太郎茶屋

調布にも田園調布にも(広い意味で)妖怪は存在する。そんな彼らを退治できるのは鬼太郎しかいなそう。ご当地キャラ&有名人対決は調布市の勝利だ。

公示地価はやっぱり...

次の対決は土地の価格だ。国土交通省の土地総合情報システムで地価公示を調べた。調査基準日は2014年1月1日で、用途区分は住宅地、なるべく駅に近い物件を選んだ。

まずは調布市から。駅から230メートル離れた場所で1平方メートルあたり46万円。
一方の田園調布は、駅から330メートル離れた場所で1平方メートルあたり94万7000円。
価格と住宅地としての「格」――どちらも田園調布は大関、いや横綱級だ。調布は足元にも及ばない。

田園調布の街路
田園調布の街路

都心に出るのに便利なのは?

両地域とも鉄道の開通で大きく発展した。調布は京王本線の全種別が停まり、新宿までの所要時間は15分。
現在は都営新宿線も乗り入れる。都心方面だと市ヶ谷、神保町、岩本町(ほぼ秋葉原)、本八幡(千葉県市川市)などに乗り換えなしで行くことができる。

一方、田園調布駅ができたのはやや遅れて1923年のこと。渋谷までの所要時間は急行で14分かかる。 地下鉄との相互乗り入れによって、直通で行ける場所は大きく広がった。新宿三丁目や池袋といった山手副都心をはじめ、明治神宮前(原宿)、六本木一丁目、永田町、日比谷、大手町、神保町、川越、所沢、浦和美園などに線路がつながる。

田園調布と調布から1本で利用できる鉄道路線図(編集部作成)
田園調布と調布から1本で利用できる鉄道路線図(編集部作成)

ところで、田園調布駅は1994~1995年、調布駅は2012年にそれぞれ地下化された。
改札からホームに行く場合、田園調布は1F→B1Fで済むのに対し、調布駅のそれはB1F→B2F(下り)・B3F(上り)と構造がやや複雑。

鉄道利用でいえば田園調布の方が圧倒的に便利だ。もっぱら高級自家用車で移動する住民もいるだろうけど。

買い物に便利なのは?

最後は、買い物に便利なのはどちらか比較したい。

東京の私鉄駅には商店街がつきものだが、田園調布駅の西口はいきなり住宅地。商業施設は皆無に等しい。
反対の東口は東横線沿線らしい商店街が広がっていて、日高屋だってマクドナルドだってオリジン弁当だってある。
ただし、1日平均の乗降人員が約2万4000人なので、店の数はそんなに多くない。地域でまともなスーパーは、駅直結のプレッセ田園調布店くらい。あれこれ買いたいときは、隣の自由が丘まで足を伸ばすしかなさそう。

田園調布駅東口
田園調布駅東口

一方の調布市は、調布駅の1日平均の乗降人員が約11万5000人もいるだけあって、さすがに駅前が賑やかだ。街のランドマークである調布パルコは、ファッションのショップから雑貨店、レストラン、フードマーケットだってある。
さらに西友調布店や調布とうきゅうも駅近くに立地する。店の品揃えを比較しながら買い物できるのは心強い。

買い物の便利さは調布市が上回る。

調布パルコ(ITA-ATUさん撮影、Wikimedia Commonsより)
調布パルコ(ITA-ATUさん撮影、Wikimedia Commonsより)

以上、「地名の貫録」「ご当地キャラ&有名人」「土地の価格」「鉄道」「お買い物」の5つの観点から比較したが、3対2で調布市が勝利した。

ところで、今年は京王本線の新宿(新宿追分)~調布間が開通してちょうど100年になる。5月31日には開通100周年記念券が発売される。

新宿(新宿追分)~調布間開通100周年記念券(京王電鉄公式サイトより)
新宿(新宿追分)~調布間開通100周年記念券(京王電鉄公式サイトより)

次の100年、調布市はどのように発展していくのだろうか。

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