15周年を迎えたウィキペディアが、地域振興の主役になるかもしれない(前編)

2016年2月 3日 11:00

ウィキペディアを、単なる「ネットの百科事典」としか思っていないあなたにこそ、今回の記事を読んでもらいたい。ウィキペディアは今、現実社会に飛び出して(あるいは現実社会を取り込んで)、「便利な調べ物サイト」に留まらない、新たな役割を見つけようとしている。

ウィキペディアはこのほど、誕生から15周年を迎えた。これを記念して2016年1月24日、東京・二子玉川のカタリストBAで、利用者や大学教員など約60人が参加するイベントが開催された。

ウィキペディア15周年イベントの様子(編集部撮影)
ウィキペディア15周年イベントの様子(編集部撮影)

ウィキペディアにかかわる数々の取り組みや、記事の執筆論などが語られたこの会を、Jタウンネットは取材した。その中から今回は、「地域」に関わる部分をメインにレポートする。

あなたはいつから、ウィキペディアを見ていた?

本題に入る前に、一つ質問がある。今や、何かググればトップにウィキペディアの記事が出てくるのは当たり前だが、それがいつごろからだったか、皆さんは覚えているだろうか。皆さんはいつごろから、ウィキペディアの「お世話に」なっていただろうか。

ウィキペディア日本語版は2001年5月20日に立ち上げられ(当初はローマ字のみ対応)、そして02年9月1日から日本語が使用できるようになって、本格始動した。もっともこの時期は、記事数も参加者も少なく、まさに「知る人ぞ知る」サイトでしかなかった。

一方、筆者のウィキペディア編集履歴(以前、時々記事を書いたりしていた)をサルベージしてみると、最古のログは2005年だった。このころには、別段ネットに詳しいわけでもない筆者の周りでも、すでに「あって当たり前」のサイトだった記憶がある。だいたい皆さんも、同じような感じだったのではないだろうか。

立ち上げからメジャーになるまで、およそ3年間。この黎明期を管理者などとして支えたユーザー・Suisuiさんが24日のイベントで語ったところによれば、当時は「ネット上の百科事典」とはそもそもどういうものか、利用者の間でまったく共有されておらず、投稿される記事は、文体も書式もまったくバラバラだった。それが「あって当たり前」のサイトになるまでは、有志たちのまさに悪戦苦闘の歴史だったという(詳しくは、当日参加者のトゥギャッターまとめも参照してください)。

各地で広まる「ウィキペディアタウン」の試み

こうした15年の歴史を経て今や、ウィキペディアは社会の「インフラ」ともいえる存在だ。そのポジションを生かして、冒頭に述べた通り、ウィキペディアはさらなる展開を見せようとしている。

上記のイベントには、記事執筆者(ネット上でもたびたび話題になる「地方病 (日本住血吸虫症)」の主筆者・さかおりさんも)や教育関係者など、さまざまな分野でウィキペディアに関わる人が登壇した。中でも目立ったのが「地域」とウィキペディアを結びつける、「地域」にウィキペディアを役立てるために活動している人たちだ。

その一人が、「ウィキペディアタウン二子玉川プロジェクト」を運営する高橋陽一さんである。

高橋さんの取り組みを紹介する前に、ウィキペディアタウンとは何か、を簡単に説明する必要があるだろう。

ウィキペディアタウンは2012年、イギリスの小都市・モンマスで始まった。その名の通り、街(タウン)をウィキペディア化する――つまり、住民やボランティア、時には自治体や図書館など公共機関が力を合わせて、自分の街の名所や施設などをウィキペディア上で記事化する、あるいは記述を充実する、といった活動だ。

単にウェブサイトなどを作るよりも、ウィキペディアという多くの人が見る、またコンテンツの横展開がしやすい(ウィキペディアは「フリー」な百科事典を標榜しており、そのコンテンツはライセンスに基づいてさまざまな形で再利用できる)場に置くことで、情報をより広く伝えることができ、地域振興に役立てられるというのが、このウィキペディアタウンの肝である。日本でもすでにいくつかの街でプロジェクトが動き始めていて、二子玉川もその1つだ。

一方で二子玉川での取り組みには、他の地域とは違うユニークな部分がある。

後編に続く
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