「うちの県、自動改札機がいまだにないんだけど...」

2014年10月15日 18:51

駅の改札を通るとき、駅員に切符を渡してハサミで切り込みを入れてもらう――。大都市で生まれ育った30代以上の人にとっては懐かしい光景だろう。

関西の大手私鉄や地下鉄では1970年代から導入されていた自動改札機だが、関東で本格的に設置されるようになったのは1990年代以降のこと。

東京メトロ麹町駅の自動改札機(編集部撮影)
東京メトロ麹町駅の自動改札機(編集部撮影)

近年は磁気券型からICカード型への移行も進んでいる。

タッチするだけで情報を読み取ってくれるので紙詰まり等が発生しない、乗車中に目的地を変更しても運賃を自動精算してくれて、利用履歴を確認・印字できる――などメリットが多い。さらにクレジット一体型も登場しており、買い物に使用できる店は増えている。
利用している路線にトラブルが発生したとき、振替輸送の対応・非対応や記録の除去処理などで面倒なこともあるけれど、列車が正常に動いているならこれほど便利なものはない。

こんなに便利なのに、なんでまだないの?

日本津々浦々まで浸透していると思われがちな自動改札機。ところが、北陸(富山・石川・福井)や山陰(鳥取・島根)、徳島と愛媛、宮崎にはまだ設置されていない。

自動改札機のない県(編集部作成)
自動改札機のない県(編集部作成)

自動改札機の価格は最低でも700万円、多機能型だと2000万円近くし、メンテナンスや運用にかかる費用は別途発生する。鉄道会社から見たメリットは人員の合理化だが、輸送量の少ない地域だと駅員で十分対応できるので、自動改札機を導入してもコストの方が上回ってしまう。当該地域の鉄道会社が導入に躊躇するのはやむを得ない。

富山と石川は2015年3月の北陸新幹線開業に合わせて新幹線停車駅で導入される。宮崎県も2015年秋以降、JR九州全国型ICカード「SUGOCA」が発行されることが決まっている(参照:自動改札「空白県」脱却にはしゃぐ宮崎県民)。

悲惨な愛媛県...

悲惨なのは四国最大の都市・松山市を抱える愛媛県だろう。伊予鉄道松山市駅は四国初の自動改札機設置駅だったが今年2月26日に撤去されてしまった。

もっとも、同駅の入退場はICカードのタッチセンサー(簡易改札機)で済ますことができる。

実は富山の富山地方鉄道や石川の北陸鉄道などもICカードに対応している(北陸鉄道は定期券のみ)。「JRが非対応なら空白県と一緒!」「タッチセンサーは自動改札機ではない!」「その鉄道会社でしか使えないじゃない」などの意見もあるだろうが、3県を純粋な自動改札機空白地帯と見なしていいものか、議論のあるところだ。

一方で福井の「えちぜん鉄道」は、自動改札機どころか自動発券機をすべて撤去し、有人駅の窓口または車内の女性アテンダントから切符を買うスタイルになっている。彼女たちの起用は苦肉の策といえるものだったが、利用客回復の原動力になったそうだ。

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