社長輩出率が最下位の埼玉県 「ハングリー精神の低さ」が大逆転を生む?

2013年10月 3日 18:39

埼玉で生まれ育った人なら誰もが知る偉人といえば、渋沢栄一だ。埼玉北部の現・深谷市の豪農の家に生まれ、第一国立銀行や東京証券取引所などを設立して「日本資本主義の父」と呼ばれている。

しかし、渋沢以外の起業家となると、埼玉にはこれといった人物は見当たらない。2012年11月に東京商工リサーチが発表した「全国社長出身地・出身校」調査によると、出身地別の社長数と人口を対比した「輩出率」で埼玉県が最も低かった。

渋沢栄一を生んだ深谷市(tedd okanoさん撮影)
DSC_9363

江戸時代の埼玉は天領や旗本・御家人の領地が入り組み、商業の盛んな都市はほとんどなかった。農業には適した場所で、年間快晴日数は全国トップ。巨大マーケットの江戸=東京はすぐ隣だ。お上に逆らわなければ安定して暮らせる土地だったのだ。

江戸時代に城下町として栄えた川越(na0905さん撮影)
川越 桜2011

現代になってからも、他県から転入した新住民がマイホームを守るため、会社勤めを続けた方が無難という考え方が強い。このような風土が、社長輩出率の低い県民性につながっていると考えられる。もちろん、流入してきた人口が多すぎるという側面もある。

もっとも、平成に入ってからは、ファッションの「しまむら」やスーパーの「ヤオコー」など、埼玉発の企業が東証一部に上場するケースも出ている。人口が720万人を超え、東京に頼らない道も生まれた。吉川市に本社のある外食チェーンのサイゼリアは、全国一の洋食率の高い埼玉県を中心に事業を拡大していった。

松原団地の風景(pinboke_planetさん撮影)
Nakayan's tilt-shift Tokyo The Matsubara Housing complex 箱庭 松原団地

京都の隣にあって同じ内陸県の滋賀は、中世から「近江商人」と呼ばれる人材を全国に送り出してきたが、地理的には東京と埼玉の関係に似ていなくもない。近江には「売り手よし、買い手よし、世間よし」など社会的責任や倫理を重視する言葉が多いが、渋沢栄一の「道徳経済合一説」にも通ずるところがある。

さいたま副都心のビル群(elminiumさん撮影)
Saitama Super Arena

近年になって、埼玉の地の利に着目した大企業が物流センターを埼玉に設置するケースが増えている。人と物の流れが変わることで、「ハングリー精神」だけではない県民性がプラスに働く発展を遂げる、というのは持ち上げすぎだろうか。

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