ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
猛者
自販機
家族
グルメ
あの時はありがとう
旅先いい話

深海魚グルメと温泉が味わえる「道の駅くるら戸田」

at home VOX

at home VOX

2017.03.30 13:41
0

全国の道の駅を巡る連載、今回は静岡県沼津市戸田(へだ)にやってきました!戸田は沼津市の南部に位置し、西伊豆の海岸線に面した港町です。

峠の上から見た戸田の街。
峠の上から見た戸田の街。
戸田は美しい富士山を眺められる場所として知られています。
戸田は美しい富士山を眺められる場所として知られています。

町の名産は世界最大のカニ「タカアシガニ」。水深150m以上の深海に住む巨大なカニで、成体のオスで大きいものだと脚を広げた幅が3m以上にもなります。

水槽の中のタカアシガニ。その大きさに驚きます。
水槽の中のタカアシガニ。その大きさに驚きます。
戸田の町を歩けば、タカアシガニが描かれた看板を掲げる店をいくつも見ることができます。
戸田の町を歩けば、タカアシガニが描かれた看板を掲げる店をいくつも見ることができます。

町の中には名物のタカアシガニを食べられる飲食店が数多くあり、食べ終わるとお店の人に「甲羅を持って帰りますか?」と聞かれることも。この地域ではからタカアシガニの甲羅に絵を描いて玄関に飾ると「魔よけ」になると古くから伝わっているため。戸田に来た記念に、お土産として持ち帰ってもいいですね!

そんな戸田には、なんと全国でも珍しい「深海魚グルメ」が食べられる道の駅があるのだとか! そもそもタカアシガニも深海に生息するカニですが、何か関係あるのでしょうか? 早速、道の駅に向かいましょう。

町の中心部から車で3分ほど移動すると、目的の道の駅「くるら戸田」に到着です。“くるら”は、この地方の方言で「またくるでしょ?」という意味があります。2015年4月にオープンした、伊豆エリアで7番目の道の駅です。

こちらがくるら戸田。町の中心部からやや山側の場所にあります。
こちらがくるら戸田。町の中心部からやや山側の場所にあります。

施設内に入ってすぐ左手に、「軽食コーナー」がありました。こちらでうわさの深海魚グルメが食べられるのでしょうか? 駅長の永井亮介さんにお話を聞きました。

大きな窓のおかげで明るい軽食コーナー。ひと息つくのにちょうどいいスペース。
大きな窓のおかげで明るい軽食コーナー。ひと息つくのにちょうどいいスペース。

永井さん「ここは常設の軽食コーナーですが、深海魚グルメがおなかいっぱい食べられるのは毎週土曜日の16:30〜21:00まで開店している『深海魚食堂』ですね。深海魚食堂は戸田の港で水揚げされた深海魚を本格的な洋食に調理している特別なお店なんです」

そもそも、なぜ「深海魚」を提供しているのでしょう?

永井さん「戸田が面している駿河湾は、地形的に沖に出るとすぐ水深が深くなります。戸田では底引き網漁が盛んなため、昔から網によく深海魚がかかりました。しかし深海魚は傷みやすく、遠方に出荷するのには不向きでした。多くは地元で消費され、昔から当たり前のように深海魚が食卓にのぼっていたのです」

駿河湾でどれだけの深海魚がたべられているのか、一目でわかるポスター。
駿河湾でどれだけの深海魚がたべられているのか、一目でわかるポスター。

戸田の人々にとって普段からなじみのあるものだった深海魚。なぜ道の駅で今取り上げようと思ったのでしょう?

永井さん「昨今、テレビなどで深海魚関係の番組が放送されることが増え、深海魚について世間の関心が高まってきていると感じました。そこで町として深海魚をもっとアピールし、観光の目玉にしようと決まり、当道の駅では、今年から深海魚食堂を始めたのです」

最初に「本格的な洋食」というお話がありましたが、具体的にはどんな料理なのでしょうか?

永井さん「メニューは何種類もありますが、いずれも味はもちろん“ビジュアル”も大切にしています。地元で食べられていた家庭料理は“揚げる”か“煮る”だけのシンプルな調理のものが多く、それでは新しいお客様を呼べません。一流のシェフに依頼して、深海魚を使い、目でも楽しめるイタリアン&フレンチのメニューを考えました」

過去に深海魚食堂で提供されたメニューの一例、まずはユメカサゴを使用したブイヤベース。
過去に深海魚食堂で提供されたメニューの一例、まずはユメカサゴを使用したブイヤベース。
トロボッチ(メヒカリ/アオメエソ)などを使った深海魚ピザ。
トロボッチ(メヒカリ/アオメエソ)などを使った深海魚ピザ。
深海エビを使った前菜。
深海エビを使った前菜。

深海魚がイタリアンやフレンチで味わえるなら、確かに話題になりそうです! 東京のフランス料理店で修行を積んだシェフが調理をしているので、「味にも自信があります」と永井さん。こんな話を聞くと、次の土曜日が待ち遠しくなりますね。

深海魚食堂は毎週土曜日のみ営業ですが、常設の軽食コーナーでも一部の深海魚メニューを提供しています。その中から、今回は「トロボッチ」という深海魚を使った「トロボッチフライ丼」をご紹介しましょう。

トロボッチとは戸田近辺の呼び方で、正式名称は「アオメエソ」。一般的には「メヒカリ」という名前で知られる深海魚です。トロボッチのトロはマグロのトロとは意味が全く異なり、底引き網漁(トロール漁)からとったもの。昔はお金にならない雑魚でしたが、保存技術や冷凍技術が発達した今では通が味わう魚として取引されるようになりました。

トロボッチフライ丼(600円)。
トロボッチフライ丼(600円)。

そんな魚を使ったトロボッチフライ丼は、揚げたてのトロボッチが白いご飯の上にたくさん盛られ、上にソースとマヨネーズがかけられています。トロボッチはまるごと一匹揚げられていますが、男性であればひと口で食べられてしまうほどの大きさです。ひと口食べるとその食感に驚きます。

まるごと一匹食べられるので、骨や頭に含まれるカルシウムも満点。
まるごと一匹食べられるので、骨や頭に含まれるカルシウムも満点。

一般的な白身魚のフライとは明らかに違い、フワッととろけるような軽い食感です。頭や尻尾、骨もそのままなのですが全く気にならず、まるごとペロリと食べられます。

そして食事の後は、くるら戸田で「深海魚グルメ」と並ぶ目玉となっている「温泉」も堪能しましょう。昭和61年に湧いた伊豆で最も新しい「戸田温泉」。その源泉をぜいたくにかけ流しで使用したのが「壱の湯」です。

壱の湯の入り口は建物に向かって左側にあります。
壱の湯の入り口は建物に向かって左側にあります。

大人(中学生以上)は500円、小人は(小学生以上)250円、未就学児は無料で利用ができます。内湯の他に露天風呂もあるのでゆったりと湯に浸かり、リラックスできますね。また、外には同じ源泉を利用した足湯もあり、こちらはなんと無料。時間がない人も気軽に疲れた足を癒やすことができます。

泉質はナトリウムカルシウム硫酸塩泉。肩こり・腰痛・リウマチ・切り傷・やけどなどに効果があるそう。
泉質はナトリウムカルシウム硫酸塩泉。肩こり・腰痛・リウマチ・切り傷・やけどなどに効果があるそう。
温泉を利用した足湯に浸かりながらゆったりと、お隣さんと会話も弾みそう。
温泉を利用した足湯に浸かりながらゆったりと、お隣さんと会話も弾みそう。

壱の湯は21:00まで営業しているのがうれしいポイント。戸田の海の恵みを味わい、温泉で癒やされる。これ以上のぜいたくはないですね。

食と癒やしで戸田を満喫したら、残る楽しみはお土産です。軽食コーナーの隣が物販コーナーになっており、港町ということで海産物のお土産が数多く並んでいます。

戸田の名産品が並ぶ物販コーナー。
戸田の名産品が並ぶ物販コーナー。
海苔や天草も戸田の名産の一つです。
海苔や天草も戸田の名産の一つです。
冷凍の干物やタカアシガニも販売されています。
冷凍の干物やタカアシガニも販売されています。

魅力的な海産物が並ぶ中、実はこの道の駅で一番人気のお土産はなんと「塩」だそう。

戸田の塩は約1500年前、当時の安康天皇にも献上された記録が残っているほど歴史の古いものですが、近代になって一度途絶えてしまいました。しかし、平成7年に地元婦人会の有志によって「戸田塩の会」が結成され、江戸時代と同じ海水を釜で炊き上げ塩を作るという伝統的な製法で戸田の塩を現代に復活させました。

その塩はミネラル分がとても豊富で、他の塩よりまろやかだと評判になり、数々の賞も受けています。

ズラリと並んだ戸田塩のラインアップ。それぞれ特徴が少しずつ違います。
ズラリと並んだ戸田塩のラインアップ。それぞれ特徴が少しずつ違います。

深海魚に温泉、歴史もあるお土産と充実のくるら戸田について、最後に永井さんからメッセージをいただきました。

永井さん「くるら戸田は、町の入口にあるため、観光で訪れたほとんどの方が立ち寄られる“町の玄関口”になっています。一方で、行政の市民窓口や高齢者の向けの交流ルームがある関係で、地元の方の利用も多いです。観光の方と地元の方、その二つを繋ぐのが深海魚グルメであり、温泉である考えています。深海魚食堂もシェフとの出会い、中と外の交流から生まれたもの。同じようなケースが増えていけば町はどんどん元気になっていきます。私たちはそのお手伝いができるように、これからも内と外が連携できる施設づくりを心がけていきたいです」

「ぜひ週末に戸田ならではの深海魚を食べに来てください!」と駅長の永井亮介さん。
「ぜひ週末に戸田ならではの深海魚を食べに来てください!」と駅長の永井亮介さん。

戸田では、これからも深海魚に関してのイベントが多く行われるそうです。3月12日には「へだ温泉深海魚プロジェクト」の皆さんと、深海魚について楽しく学ぶ「戸田深海魚大学」が開催されました。そして、春と秋には港で「深海魚撮影会」も予定されており、深海魚食堂でも季節に合わせた新メニューも続々と登場予定です!!

観て楽しい、食べて美味しい深海魚、これからまだまだ盛り上がりをみせてくれそうですね。このブームにいち早く乗るためにも、もうすぐ訪れるGW中にでも戸田へ足を運んでみてはいかがでしょう!

施設情報

●道の駅くるら戸田

住所:静岡県沼津市戸田1294-3

営業時間:売店・軽食コーナー10:00〜18:00/壱の湯10:00〜21:00、無休

深海魚食堂 毎週土曜日16:30~21:00(L.O.20:30)

http://kururaheda.com/

※記事中の情報・価格は取材当時のものです。

関連記事

土地の魅力が凝縮! 全国「道の駅」めぐりの旅 茨城県と千葉県の県境にある「道の駅さかい」で幻の豚や地粉蕎麦を味わう!

土地の魅力が凝縮! 全国「道の駅」めぐりの旅 富士山観光の拠点には「道の駅富士吉田」が最適!

土地の魅力が凝縮! 全国「道の駅」めぐりの旅 「道の駅もてぎ」では全国NO.1の道の駅グルメとSLが楽しめる!

PAGETOP