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京大の伝統芸能・折田先生像、2014年は「キョロちゃん」

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.02.25 17:36
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2014年2月25日の未明、国立京都大学のキャンパス内に、森永製菓の菓子・チョコボールのマスコットキャラクター「キョロちゃん」の像が出現した。像の隣に建てられている看板には次のように書かれている。

「折田彦市先生はおもちゃのカンヅメの使者として子どもたちに夢を与えることに尽力し、京大にクエックエックエ~な学風を築くために多大な功績を残した人です。どうかこれ以上太らせないでください。 エンゼル」
2014年の折田先生像(きゃなわさんのツイッターの投稿画像より)
2014年の折田先生像(きゃなわさんのツイッターの投稿画像より)

これは毎年入試シーズンになると登場する「折田先生像」と呼ばれるオブジェで、この時期の京大の風物詩となっている。学生によって作られたものと推定されるが、大学当局からは黙認されている。

今年はなぜキョロちゃんになったのかは不明だが、看板の裏側にはアイドルとブラウザゲーム「艦隊これくしょん」のキャラクター「島風」の写真が貼られている。また、台座の上部には「連装砲ちゃん」(艦隊これくしょんに出てくる島風の主砲)が置かれている。

看板に書かれている折田彦市とは、京都大学の前身の旧制第三高等学校の初代校長のこと。自由な校風を培った人物と知られ、1940年にその偉業を称えるために初代銅像が建てられた。戦時中の金属供出を経て1950年に3代目が鎮座。いつのころからから落書きや被せもののイタズラがされるようになり、大学当局の目にあまったのか1997年に撤去されてしまった。現在は屋内に設置されている。

撤去後も独自のオブジェとハリボテの台座が作られ、毎年受験のためキャンパスを訪れる人たちを驚かしている。2013年は菓子メーカーロッテのマスコット「ノッポトッポちゃん」、2012年は「地デジカ」をそれぞれ模したオブジェが登場した。

銅像へのイタズラは古今東西絶えることがない。イギリスのグラスコーに設置されている初代ウェリントン公爵の銅像は、カラーコーンを頭から載せられる事件が後を絶たないけれども、「大切な伝統文化」として当地の市民から許容されている。

折田先生像も京大の自由な校風の現れなのか。京大に6年在籍したという人物は次のように語る。

「うーん、『自由』といえば自由なんでしょうけど......。こういうのが『伝統芸能』になっちゃうあたり、実は保守的なんじゃないですか? 何年か前ですか、折田先生像とは別に『大仏』が突然図書館前に現れたこともあったんですけど、それなんかはすぐ壊されちゃいましたっけ。とりあえず、来月の卒業式を楽しみにしてます」
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