少年の遺体は全裸で発見され、首や顔に多数の切り傷、現場付近には血の付いたカッターナイフと結束バンドが見つかった――。
2015年2月に川崎市の多摩川河川敷で中学1年の男子生徒が殺害された事件を受け、警察の捜査関係者は「人間がやることではない」と漏らしたという。その凄惨な殺害方法から諸方面で大きな反響を呼び、犯行現場となった河川敷には少年の死を悼む人々が全国から訪れた。
山積みになった献花や供物、涙を流す弔問客の姿――。テレビのワイドショーや新聞記事などで盛んに取り上げられたその風景を、今も覚えている人も多いのではないか。
事件から10か月。記者は改めて現場を歩いた。