3秒で完成!? 石垣島が生んだ世界最速「超即席フード」の正体
「秘密のケンミンshow」(日本テレビ系)が2013年10月3日(木)の放送で取り上げたのは、沖縄県石垣島で食べられている「からそば」だった。
60年ほど前、土木関係で働く人や、海に潜って漁をする「海人(うみんちゅ)」の男たちが、八重山そばの袋に「缶詰の中身」を入れてシャッフルして食べていたのが元祖。具と「絡める」のと「汁が空(から)」なのが名前の由来だ。
B級グルメには目がない編集部としては、一度は口にしておかなければならない。「画像も貼らずに」記事を書くことなど許されず、すぐに東京・品川の石垣島共同売店に行って購入した。
材料は袋に入った麺「八重山そば」と、サバの味噌煮の缶詰だけ。袋の中に缶の中身をあけて、浅漬けを作るように揉みほぐし、皿に盛り付ければおしまいだ。水も電気もガスもいらない。
麺は一度ゆでてから油をなじませており、パサパサしていない。石垣島のスーパーには、からそば専用のタレも売っているという。
番組が最初に訪れた家庭でもサバの味噌煮を使っていたが、別の家庭ではサンマ缶とツナ缶、ポーク缶が用意され、食べる人が好きなものを選んで袋に投入し、福神漬けを混ぜる人もいた。その家の主人らしき男性は「エコ!」と言いながら麺の袋に直入れし、「おっぱいモミモミしています」と陽気につぶやいた。
石垣島の住民に話を聞くと、公設市場のおばぁは「ジョーブンマーサンダラー(とってもおいしいよ)」、若い男性は「ヤー飲み(家の飲み会)の定番つまみ」、中年男性は「簡単でおいしく食べれる、3秒」という答え。幅広い年代に親しまれている、お手軽かつポピュラーなご当地フードだ。
日中から「ヤー飲み」している石垣島民の食卓は、「そばと酒が空っぽになるまで飲み食いする」と見るからに幸せそう。出演者による試食会では、石垣島出身の具志堅用高は「サバがね、麺とね、めちゃくちゃ仲良くなってる~!!」と故郷の味を絶賛していた。
香川出身の高畑淳子は「水分のない感じが酒に合う。うどん県としても認めざるをえない」と高評価。宮崎出身の蛯原友里も「麺は硬めだけど甘みがある」と気に入ったご様子だ。
麺党で酒をガンガン飲むという人は、一度試してみてはいかがだろう。なお、コシの強いそばを食べなれない人には、八重山そばは少し重過ぎるかもしれない。生食用であれば、普通の市販の焼きそばや生そばでも結構イケルのではないかと思った。