あまちゃん「久慈駅前ビル」取り壊しへ

NHKの朝の連続ドラマ「あまちゃん」に登場した「北三陸観光協会」のビルが撤去される方針だ。2013年11月26日に岩手・久慈市で行われた中心市街地活性化協議会の総会で市が明らかにしたもので、跡地にはイベント広場が整備される。

久慈駅前デパートと呼ばれるこのビルは50年ほど前に建設された。現在は老朽化が激しく水漏れも発生しており、改修にも多大な費用がかかる。現在のテナントは5、6業者程度だ。

久慈駅前デパート（_123_さん撮影）

市は2014年度から5年間で駅前周辺を整備する計画で、国の認定が通れば期間中に撤去工事が実施される。

以前からビル撤去の話は持ち上がっていたが、「あまちゃん効果」で一躍人気の観光スポットに。放送終了後も大勢の観光客が訪れ、ビルの壁面にはドラマで使われたイラスト入りの看板が今も設置されている。

市の産業振興部商工観光課によれば、寒くなってきた最近は客足も落ち着いたが、現地を訪れて撮影する観光客が今も絶えない。

「解体が決まった場合も全てなくしてしまうのではなく、今ビルにかかっている看板などドラマの足跡を何かしら残せないかと考えています」

取り壊しはやむを得ないという声の一方で、「せっかくの観光スポットになったのだから、なんらかの形で残せないか」という意見が地元で挙がっているという。観光課は「あまちゃんファンの思いをきちんと受け止めたい」と話す。