「静岡空港の地下に新幹線駅を!」 静岡県知事の必死過ぎる要望

2014年4月 3日 19:12

採算性を疑問視されながらも静岡空港(静岡県島田市、牧之原市)が開港したのは2009年6月のこと。政令指定都市の静岡市と浜松市の中間に位置し、東名高速道の相良牧之原ICから車で約17分ほどだが、2012年度の利用者数は45万人足らず。開港前の予測を大きく下回っている。

県は同空港の年間利用者数を2017年度に85万人とする計画を立てたが、過大として70万人に下方修正している。

新幹線新駅は「国益」という主張

なんとしてでも静岡空港に人を呼び込もうと県は必死だ。その切り札ともいえるのが、「新幹線」。

実は、空港の真下にはトンネルで東海道新幹線が走っている。ここに、空港と直結する新駅を作ってもらおうというのだ。

「災害時や東京オリンピック開催のときに役に立つ。地元への利益誘導ではなく国益のため」と川勝平太静岡県知事は主張、静岡駅地下道には東海道新幹線静岡空港駅設置期成同盟会の看板まである。

新幹線新駅設置を訴える看板(Halowandさん撮影、Wikimedia Commonsより)
新幹線新駅設置を訴える看板(Halowandさん撮影、Wikimedia Commonsより)

JR東海は一貫して反対

......それにしても、国益を持ち出したらどんな不採算事業も通ってしまう気もするが。

一方のJR東海は一貫して否定的だ。静岡駅から28キロ、掛川駅から15キロしか離れておらず、ここに駅を作ったら東海道新幹線の本数を減らしたり、所要時間を延ばしたりしなくてはならなくなる、利用客も望めないというのがその理由だ。

静岡空港とよく似た状況にあるのが広島空港だ。広島市と福山市の間の山の中にあるこの空港は1993年に開港したがアクセスは車に限られる。2012年12月に「岩国錦帯橋空港」(山口県岩国市)が開港し、ドル箱路線の羽田~広島便の旅客が流出し出している。状況を改善すべくアクセス鉄道を望む声は強いが、JR西日本は地理上の難点や採算がとれないことを理由に及び腰だ。

飛行機は新幹線と客層が被る。だからJRは空港に直結する新駅設置に消極的なのではないか――という見方は根強くある。どこまで本当かは不明だが、分割民営化されたJRは、自分たちの利益を損なうような行政の方針には強く反対するようになった。

ちなみにフル規格の新幹線は全国に6路線あるけれども、新幹線の駅と空港が直結した場所は現時点でどこにもない。国鉄時代は成田空港駅と東京駅を最速30分で結ぶ計画があったが既に失効している。

静岡空港の新幹線新駅設置は、県が建設費用を全額負担するとまでいっているが、静岡県民からは「赤字空港にさらに県税をつぎこむのか」と反対する声も出ている。実現可能性はかなり低そうだが......「国益になるんだから最終的には国税で」というのはちょっと勘弁してほしい。

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