「東武アーバンパークライン」こと野田線、2年後に急行運転開始（予定）！ 真の「アーバン」線になれる？

関東の大手私鉄・東武鉄道は、現在各駅停車しかない野田線（愛称「アーバンパークライン」）で、2016年春から急行運転を開始することを明らかにした。

これは2014年4月30日付けの「東武グループ中期経営計画2014～2016」で明らかになったもので、野田線関連の主な施策は以下のとおり。東武が「本線」と位置付ける伊勢崎線や東上線と比較してもその数は多く、同社が重点路線に位置付けていることが見て取れる。

(1)大宮～春日部間急行運転の実施
(2)六実～逆井間複線化の推進
(3)東武スカイツリーライン（伊勢崎線）と東武アーバンパークラインの直通化
(4)新型車両60000系の増備
(5)駅の快適性の向上（大宮公園、清水公園、船橋等）のリニューアル
(6)岩槻駅の橋上駅舎化工事の推進
(7)連続立体交差事業（清水公園～梅郷、春日部駅付近等）の推進
(8)ホームドア（可動式ホーム柵）導入・推進（柏等）
(9)「ソライエ清水公園アーバンパークタウン」の分譲

ところで、東京メトロ南北線と相互乗り入れ・直通運転をしている「埼玉高速鉄道」は現在浦和美園駅が終点。埼玉県としてはこれを岩槻まで延伸する考えだ。実現したら都心までの所要時間で野田線～伊勢崎線コースは太刀打ちできないが、延伸工事の着工は、沿線自治体の財政難もあって延び延びになっている。

埼玉高速が開通したとしても料金は高いので（お台場を走るりんかい線より上）、料金の安い方を選択する利用者もいるだろう。東武が先手を打ったと言えなくもない。

これらの計画がすべて実現すれば、野田......いやアーバンパークラインは名実ともに「アーバン」になれるかもしれない。しかし、前期の「東武グループ中期経営計画2010～2013」で挙がっていた項目の中には、未達成の事案も残っている。例えば、東上線新運転保安システムの構築は2012年に完成する予定だったが、2015年にずれこんでいる。

沿線住民にとっては夢の膨らむ新中期計画。あとはこれが現実になってくれればもう文句は何もない。