「最近のゆるキャラつまんないよね」という方に→「クエ太郎とクーコ」がいい感じにゆるい

最近は全国各地に「ゆるキャラ」が乱立しているが、最新の温泉施設が旅情をそそられないように、デザイン感度が高くてプロフィールも立派なゆるキャラは、どこかつまらなく感じられる。

そんな今だからこそ見直したい、本来の「ゆるさ」が詰まったマスコットの1つが、和歌山県日高町の「クエ太郎＆クーコ」だ。2体は海水魚の天然クエをPRするため1994年に誕生した。大ベテランだ。

見ての通り、いい感じにゆるい。

クエ太郎は日高町近海のクエの里が出身地とされ、性格は天然で祭り好き、特技はおどり（クエクエブギウギ）と鍋奉行だ。

一方のクーコは、手の形状といい、名札とリボンを付けているところといい、パーツ別でみると、あの「ふなっしー」に似てなくもない。魚の割には足が長すぎるけど。

「ゆるキャラ」の名付け親・みうらじゅんもこの2体を高く評価しており、2012年のゆるキャラグランプリでは特別賞として「ゆるゆるUMA賞」を送っている。2014年3月6日放送の「みうらじゅんと安齋肇のゆるキャラには負けない！」にもゲスト出演したが、みうらじゅんは「セクシーすぎて...唇が。歌舞伎町に行ったような気分」とクーコを評していた。

そして放送中驚きの告白が。実はクーコは「クエ太郎の元カノ」で、3年前の夏の終わりに2体は別れていた。ところが再びよりを戻しつつあり、現在でもペアでイベント出演している。

町が運営するオフィシャルサイトのトップページには、クエ太郎とクーコのイラストが載っている。そして、確かにクーコのプロフィール欄には、「クエ太郎の元カノ」とある。また、2体は別れたはずなのにハートマークがあしらわれている。あと、クエ太郎は着ぐるみと雰囲気がかなり違う。

昨今はゆるキャラ同士の「結婚」が相次いでいる。兵庫県姫路市の「かんべえくん」と加古川市の「てるひめちゃん」、埼玉県上尾市の「アッピー」と福島県本宮市の「まゆみちゃん」、3月15日には鹿児島の「ぐりぶー」と「さくら」が披露宴を開催する予定だ。

こうした結婚発表について、ネットユーザーから「政略結婚じゃないの？」と揶揄する声も挙がっているが、クエ太郎＆クーコの場合は、なし崩し的に同棲を始めるカップルみたいで微笑ましい。あまり戦略立てて進めていないというか。このあたりのゆるさが、なんとも「天然モノ」な感じだ。

旅祭り名古屋2012　クエ太郎踊り（YouTubeより）

クエ太郎とクーコの中身が入れ替わったら、クーコがふなっしーみたいになるってことは...ないかー。