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どらやきには「どらやき用」、最中には「最中用」 同じ店の和菓子でも中の「あんこ」は別物だって知ってた?

井上 慧果

井上 慧果

2021.09.24 20:26

さまざまな和菓子に使われている「あんこ」に関する、意外な事実がツイッターで注目を集めている。

北海道・函館名物のイカをモチーフにした「いかようかん」で有名な和洋菓子店「はこだて柳屋」(函館市)が2021年9月20日、公式ツイッターアカウントに2枚の画像を投稿した。

お菓子のあんこは同じじゃない(画像ははこだて柳屋公式ツイッターより)
お菓子のあんこは同じじゃない(画像ははこだて柳屋公式ツイッターより)

大きな鍋であんこを作る人物。出来上がったあんこからは、どらやきや最中、きんつば、大福などに矢印が伸びている。

これは、「おそらく皆さまが考えている『あんこ』の認識」を表現したものだという。

そして画像には、こんなメッセージが書かれている。

「『あんこ』というと、たくさん作ったあんこを色々なお菓子に使用しているイメージがあるかと思いますが
実は、そうではないのです」

あんこの「粒感」や「糖度」が違う

では実際はどうしているのだろう?

はこだて柳屋は、もう1枚こんな画像を投稿している。

専用のあんこ(画像ははこだて柳屋公式ツイッターより)
専用のあんこ(画像ははこだて柳屋公式ツイッターより)
「お菓子によって、あんこの『粒感』や『糖度』が違ってくるので、作るお菓子に合わせて『専用のあんこ』を作っています」

なんと、どらやき専用、最中専用、きんつば専用、大福専用、といった感じで、菓子ごとに異なるあんこを製作しているのだ。

このつぶやきには、多くのツイッターユーザーが衝撃を受けたようで、こんな声が上がっている。

「知りませんでした 想像よりずっと手間隙かかってる」
「確かに食感違うもんな、、」
「今まであんこのこと甘く見てました...」
「なるほど 市販の餡子でお菓子を色々作っても同じような味にしかならないのはこの為か」

Jタウンネット記者も、つぶあんやこしあんといった種類はあれど、まずたくさんのあんこを作って、それを色んな菓子に使っていると思っていたので、大いに驚いた。

そこで22日、このツイートを投稿した「はこだて柳屋」のツイッター担当者を取材し、話を聞くことにした。

「和菓子のことを知ってもらうきっかけになれば」

担当者は、前職では北海道各地で親子の和菓子作り教室を運営していたという。その際、和菓子を食べたことがない子供がたくさんいるという現状を知った。

そんな背景から、

「和菓子の文化を存続させたいという気持ちが強くありました」

と語る。その思いが、「あんこの認識」についてのツイートに繋がった。

「どの職種でも言えることですが『専門的な仕事をしている人からすると普通の常識』だったりすることが、一般の方からすると全然知らない、ということが世の中にはたくさんあるのでは?と思いました。
当ツイートを通じて世代を超えて和菓子の事を知ってもらうきっかけになればと思い、今回のツイートを発信しました」(ツイッター担当者)

担当者によると、高齢化によって、餡を練る職人は減ってきている。そのため、製餡を専門にする店に専用のあんこを発注し、仕入れている和菓子屋も増えているそうだ。その中で、はこだて柳屋は、自社製造のあんこにこだわっている。

はこだて柳屋の「あんバターどら焼」(画像ははこだて柳屋公式ツイッターより)
はこだて柳屋の「あんバターどら焼」(画像ははこだて柳屋公式ツイッターより)

使う菓子にあわせて練っているというあんこは、それぞれどのような違いがあるのだろう。

「お店によってこだわりもあると思いますが、例えば当店ではどら焼きのあんこは粒感を残しつつも、皮にあんこの水分がなじむようなものを。
逆に最中に使うあんこは水分が多いと最中の皮がふやけてしまうため、糖度を高めに、かつ、水分を少なくしたものを作っております」(担当者)

基本的には、なにかに包まれていることが多いあんこ。やはり、周りの皮との相性も考えて作られているようだ。

このツイートは、4万4000件を超える「いいね」(24日夕時点)を集めるなど、話題となった。

担当者は、こういった反響に対して、

「人によっては『そんな事は知っている』といったご意見も寄せられましたが、それ以上に『知らなかった』『そこまで考えて普段食べていなかった』といったご意見がほとんどだったため、皆様に拡散いただいて大きな反響となり、とても驚いております。
普段何気なく食べている和菓子ですが、使用されているあんこにはお菓子に合わせた職人の手間が実は込められていると認識していただけると、美味しさもひと際感じていただけるかと思いますので、今後とも日本が誇る和菓子文化をどうぞよろしくお願いいたします」

とコメント。

菓子によって、糖度や粒感、そして水分量まで違っているとは......。あんこ、想像以上に奥が深い。職人さんの手間やこだわりがこめられていることを感じながら、同じ店の色んな和菓子を食べ比べてみたくなった。

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