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さすがリンゴの名産地 青森県内の道路を彩る「アップルフェンス」がほっこり可愛い

福田 週人

福田 週人

2021.08.23 20:00
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「日本で1番可愛いガードレールの可能性ある」

あるツイッターユーザーが、そんなコメントと共に青森県撮影した写真を投稿し、話題になっている。

一体なにがどう「可愛い」というのだろうか。気になる実物の写真が、こちらだ。

リンゴの形だ!(画像はポルカ社@po_polkaさんのツイートより)
リンゴの形だ!(画像はポルカ社@po_polkaさんのツイートより)

一面が緑の畑の写真。その手前、道路との境目に設置されているのは、白い柵だ。その中にはリンゴのような形をした赤い部分がある。

よく見る白一色の物と違い、たしかにこれは可愛らしいデザインだ。

こちらの写真に対し、ツイッター上では、

「可愛い」
「林檎のレール、癒し」

といった声があがっている。

注目を集めているのは、東京都在住のツイッターユーザーのポルカ社(@po_polka)さんが2021年8月10日に投稿した写真。Jタウンネット記者は投稿者と、国土交通省東北地方整備局の青森河川国道事務所に取材した。

「雪の重さに耐えられ、かつ青森らしい防護柵を」

ポルカ社さんが「リンゴのガードレール」を撮影したのは、青森への出張中のことだという。

「岩木山があまりにいい感じだったので撮りたくて、車から降りた時にこのガードレールも撮りました。
青森市~弘前へ移動中だったのですが、ずっと白や緑のりんごのガードレールがあって、どこかよさそうな場所があったら撮りたいなーと思ってたところへ、この景色と赤いりんごがあった、という感じです」(ポルカ社さん)
何色かバリエーションがある(以下、画像は青森河川国道事務所・道路保全課提供)
何色かバリエーションがある(以下、画像は青森河川国道事務所・道路保全課提供)

Jタウンネット記者は20日、青森河川国道事務所にも話を聞いた。

取材に応じた同事務所道路保全課の担当者によると、これらの柵は通称「アップルフェンス」と呼ばれている。1983年頃から、主に国道4号・7号に設置された。

「現在の設置延長は約22キロメートル(上下線の合計)となっております。
ただし、この数字は国道沿線に設置されたものであり、県道や市道等も含めると更に多くの箇所に設置されておりますが、その延長は国では把握しておりません」(担当者)

「アップルフェンス」が設置された経緯について、担当者は「わかる範囲では」と前置きし、

「当時の建設省(現・国土交通省)職員が考案したものです。
青森県の津軽地方は豪雪地帯のため、毎年雪の重さで防護柵の多くが破損していたことから、雪荷重に耐えうる製品として考案されたと聞いています。
その際に、青森県を代表する『リンゴ』をモチーフにしたデザインが採用されました。
国として設置したのは国道沿線のみですが、その後徐々にこの『アップルフェンス』が県道・市道等にも広まっていったものと思われます」

と説明した。なお、県道・市道等のものについてはそれぞれの道路管理者が設置しているとのことだ。

青森のリンゴは「赤」だけじゃないから

ポルカ社さんが投稿した赤色のもの以外にもいくつか種類があるようで、

「国道沿線に設置されたものは、赤、白、緑のパターンがあります。開発当初は赤色で進めておりましたが、津軽方面はリンゴは青(みどり)色もあるとのご意見から、みどりも採用されました。
ちなみに、ホタテの養殖が盛んな平内町の一部には、リンゴに混じって『ホタテ』のフェンスもあります」

とのこと。

「ホタテ」バージョンもある
「ホタテ」バージョンもある

このほか、県道や市道に設置されたものには、黄色のものや、縦格子の柵にペイントをして角度によりリンゴの絵が浮かび上がるタイプのものもあるそうだ。

斜めから見るとちゃんとリンゴの柄だ
斜めから見るとちゃんとリンゴの柄だ
「設置から40年近くたっているため、地元にはすでに当たり前のものとして定着しており、設置当時の反応については分かりません。ただ、他県から来られた人からの『面白い』という意見はよく耳にします」(担当者)

ツイッターでの反響について、担当者は、

「上述の通り設置から40年近くたっていますが、『日本で一番かわいい』と言われたのは初めてで、とても驚いています。今回このような形で取り上げていただき、たいへん有り難く感じております」

とコメントしている。

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