こんなにメルヘンな作業があるんだ... 山梨でIターン就農した女性が「農業はかわいい」と断言する理由
農業に対して、皆さんにはどんなイメージがあるだろうか。
天候に左右される、ハードワークで腰痛との戦い、自然が相手だから休みがない......記者はそんなネガティブな印象を持っていた。
しかし実は、「農業はかわいい」。
そう断言する投稿が、ツイッターで話題になっている。
これはツイッターユーザーのキュア農家さん(@precure_farmer)が2021年3月25日に投稿したもの。
華やかなモモの花が満開の木の枝に、なぜか傘がぶら下げられている。その中には、モモの花がたくさん。
見た目にも鮮やかなこれは、農作業中のワンシーンのようだが、いったい何をしているところなのだろうか?
Jタウンネット編集部は26日、キュア農家さんに詳細を聞いた。
山梨へ移住しモモとブドウを栽培中
キュア農家さんによると、この写真はモモの花粉を採取している場面。
モモを栽培する際には「摘蕾(てきらい)」と言って、枝に咲く花の数を間引き、実になる数を調整していく大事な過程がある。
投稿された写真は、摘蕾の作業のついでに、受粉用の花を傘の中に集めているところを撮ったものだ。
「うちだけでなく桃農家さんでしたら皆さん似たような集め方をされているらしいです」
と、キュア農家さん。
キュア農家さんは、東京から山梨へとIターン移住し、農業に従事している研修生。現在、モモとブドウを育成中だという。
そんなキュア農家さんが「農業はかわいい!」と断言する理由を尋ねると、
「見た目に美しい花や果実、愛らしい野鳥や虫などを間近で観察できること」
さらに、
「今回のようにありふれた日用品を思ってもみなかった用途で駆使したりするので、そういったところに素朴な可愛らしさと創意工夫をいつも感じています!」
と、生き生きと答えてくれた。
農業には泥臭い力仕事が多い一方で、それ以上に「花を摘んだり樹皮を削ったり、果物の形を整えたりなどメルヘンな仕事もある」。そんな側面が、「かわいい」の理由なのだ。
出版やWeb業界の会社員を経て、農業研修生となり1年目のキュア農家さんに、若者目線で農業のどのような点に魅力を感じるかも聞いてみた。
「1番は採れたての美味しい作物を食べられることです!」
と、元気よい答えが。その後も
「自然相手ではあるけれどある程度マイペースで作業ができること」
「やり方によっては経済的にかなり収入が見込めること」
「行政からのサポートが手厚いこと」
「様々な特殊車両を運転できること」
「なんの学歴や経歴がなくても参入できること」
「天気や動植物を通じ自然をダイレクトに実感できること」
......と、次々に農業の魅力を挙げてくれた。その言葉からは、心から仕事を楽しみながら取り組んでいるのが、ひしひしと伝わってきた。