50年前の「ファンタ」空き缶が鳥取砂丘で出土→コカ・コーラ「責任を感じる」
「飲料メーカーとしての責任を...」
同センターの広報担当者によると、今回の缶は、SNSで発信するため最近の鳥取砂丘の様子を写真に撮ろうと歩き回っていたところ、たまたま発見されたそうだ。
投稿が大きな反響を呼んだことについては、
「いろいろSNSでの発信に力を入れていて、今回の投稿をきっかけに、さらに多くの人が鳥取砂丘に関心をもつことにもつながると思うので、たいへん嬉しく思います」
と、話してくれた。
さて、この缶は本当に初代デザインのファンタなのだろうか?
Jタウンネット編集部は22日、「ファンタ」シリーズを販売する日本コカ・コーラにも取材した。
同社広報担当者によると、投稿された写真に写っているものは、間違いなく日本のほとんど全国で販売されていたファンタグレープとのこと。このデザインは、1968年から74年の間に販売されていたものだそう。
これが何代目のデザインかは、昔すぎて資料が残っておらず確認できなかったとのこと。
ファンタグレープが日本で初めて発売されたのは1958年。その10年後に販売がスタートした写真の缶は、初代からは何かしらデザインが変わっている可能性が考えられるという。
今回、古いデザインのファンタグレープの缶が鳥取砂丘で発見されたことについては、
「懐かしいという気もちもありますが、それ以上に飲料メーカーとしての責任を改めて認識させられました。
今回の缶は、当時、鳥取砂丘にポイ捨てされた可能性がかなり高いです。そのため、ゴミの回収とリサイクルを飲料メーカーとしてさらに強化する必要性を感じました。さらに、当時よりも現在の方が環境問題はより深刻化してきています。我々、飲料メーカーの力だけではこれを改善することは難しいので、消費者の皆様にもさらに意識を高めていただけるよう、『ポイ捨てはやめましょう』という発信を強化していきたいと思います」
と、コメントした。
日本コカ・コーラでは、ちょうど今回の缶が販売されていた時期と重なる1970年に、ポイ捨てをやめようと呼びかけるキャンペーンを行っていたそう。その2年後となる73年からは、自販機横に回収ボックスを設置することを始めたという。
当時から、空き缶等のポイ捨てが問題視されていたことが窺える。
ビジターセンターも、
「砂丘で紛失してしまった!という不可抗力はともかく、未来の話題になるからというゴミの投棄はいけませんよ。この缶を見て、自分もやろうと思うか、そんなに経っても自然に還らないのかと思うかはご覧になった皆様のお心次第でございます」
と、ツイートしている。
50年も昔のゴミすら、土に還らないのだ。そう思うと、ただの懐かしい発見で終わらせず、旅先での自分のふるまいを振り返る教材にもできるかもしれない。