ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
猛者
自販機
家族
グルメ
あの時はありがとう
旅先いい話

JTのテレビCMにたばこが登場しないのは、なぜ? 理由を調べたら心がポカポカした

井上 祐亮

井上 祐亮

2021.02.22 18:00
0

キーワードは「自主規制」

「昔は、成人男性の多くが喫煙者だった」

そう言われて、頷く人も多いことだろう。

1965年、JTの前身である日本専売公社が始めた「全国たばこ喫煙者率調査」によると、このころの成人男性の平均喫煙率は80パーセント台。10人中8人は習慣的にたばこを吸っていた。

なお、同時期の女性の平均喫煙率は15%ほどだ。

ところが年々、男女共に喫煙率は下降の一途を辿っている。

同調査によると、平成が始まった89年には成人男性の喫煙率は61.1%(女性12.7%)。2002年には49.1%(女性14.0%)と5割を切った。

そして、最後の調査となった18年のデータでは、喫煙率は、男性平均で27.8パーセント、女性平均で8.7パーセントに。

周りを見渡して「喫煙者、少なくなったな」と感じていた人も、この数字を見て、その減り方に驚いたかもしれない。

喫煙率の低下は、たばこと健康への関心が高まったからだという。そして90年代後半には「たばこの広告自体の批判も強まってきた」と話すのは、「たばこ」の歴史と文化をテーマとする「たばこと塩の博物館」の学芸部長・鎮目良文(しずめよしふみ)さんだ。

「たばこと健康の問題や、喫煙率の低下、かつ世界でも、たばこ広告に関する規制もが始まったこともあり、日本でも、各メーカーが主体となって自主基準を定めることになりました」(鎮目さん)
「たばこと塩の博物館」にある、たばこメディアウォール
「たばこと塩の博物館」にある、たばこメディアウォール

たしかに、JTの公式サイトによると95年から「『日本たばこ協会(=TIOJ)』が、未成年者の喫煙防止と喫煙マナー向上のために広告および販促での自主基準を改正。テレビおよびラジオでの『たばこ』の広告の自主規制を実施する」とある。

自主的にテレビCMを規制――。JTはそれまでゴールデンタイムでも流していたたばこのCMを、未成年のもとに届きにくい深夜帯に放送するようになった。

「その自主基準の中で各メーカーは、たばこを広告するための条件を考えていきました。法律などで規制される前に、JTなどのメーカーやその他関連事業団体が、社会との兼ね合いを考えたのだと思いますね」(鎮目さん)

そして98年には、JTがテレビやラジオ、ネット上でのたばこ銘柄のCMを自粛するように。この時、たばこを吸う人が映ったJTのCMは消えたのだ。

つまりJTは、たばこをくゆらせるCMをメディアで放送できなくなったため、現在のような「たばこの登場しないテレビCM」を打ち出しているのだろうか?

Jタウンネット編集部はJTにも話を聞いた。

「想うた」シリーズでは、人と人との関係を
続きを読む
PAGETOP