「わらって」「仏の顔は何度でも」 広島のお寺の標語が話題に→始めたきっかけは?住職に聞くと...
[みみよりライブ5up - 広島ホームテレビ] 2020年8月25日放送分で、お寺の住職が書く標語が話題になっていることを取り上げていました。
広島市中区にある超覚寺の掲示板に貼られた標語を、通勤時間にもかかわらず人々が立ち止まってじっくりと眺めたり、写真に収めたりしているそうです。
標語は1日1枚
超覚寺の住職・和田隆恩さんは、自分で書いた標語を毎朝お寺の前の掲示板に張り出しています。
3月までは標語を貼り替えるのは週1回だけでしたが、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、その頻度を増やしたといいます。
新型コロナの流行が始まった頃「わらって」という言葉を貼ったところ、一人の人が「すごく楽になった」と言ってくれたそうです。
そこで、何がどの人に刺さるかわからないと思い、1日1枚貼り替える意味があると確信できたといいます。
和田さんはお釈迦様の言葉を伝えるよりも、読んだ人が笑ってくれたりほっこりしてくれる言葉を書いているそう。例えば、
『仏の顔は何度でも』
『自粛するのは正義?自粛させるのも正義?』
『向き 不向き 前向き』
など。
若い人に興味を持ってもらえるようにと一昨年にはSNSも始め、ほぼ毎日標語の写真を投稿しています。
そこまでして若者に言葉を発信しているのは、若い頃の意外な過去があるからです。
実は24年前まで証券会社に勤めていた和田さん。
時代は空前のバブル景気に沸いたころ。しかしその後バブルは崩壊し、不況に突入。和田さんも無謀なノルマに追われる日々が続きました。
「死んだ方が楽だってずっと考えてました」
そんなとき和田さんを救ってくれたのは、お寺の掲示板にあった言葉でした。
原点になった言葉は...
それは、
『人生に花が咲こうと咲くまいと 生きていることが花なんだ 生まれてきたことが花なんだ アントニオ猪木』
この言葉が和田さんの原点になったそうです。
29歳で脱サラを決意した和田さんは、藁にもすがるような思いで広島に来て、超覚寺でお坊さんとしての人生を歩み始めました。
そのとき、今の活動のきっかけとなった標語を掲示する担当を任されました。
標語の発信は、8年前に住職となってからも続けています。
16年間で貼り出したのは1000点以上。これからも和田さんは筆を走らせ続けます。
「もし当時の自分と同じような事を思っている人がいるなら、立ち上がれるきっかけになる言葉になってほしい」と話していました。
こんな時期だからこそ心に染みる、有難い言葉がたくさんありますね。
(ライター:momiji)