出雲大社「庁の舎」解体へ? 学生有志が保全運動始めるも...実用面では課題

2016年3月 5日 11:00

島根県の出雲大社境内内にある「庁の舎」の解体がほぼ決定している――そんなFacebookの投稿がシェアされ、SNSを中心に反響が広がった。また、「庁の舎」設計者に関係が深い早稲田大学の学生が保全を訴える署名運動をネット上で立ち上げ、3月上旬時点で600人以上から賛同を集めている。

出雲大社「庁の舎」の取り壊しが内定?(画像は神門通りの大鳥居。senngokujidai4434さん撮影。flickrより)
CIMG7863

維持管理面での問題が以前より存在

「庁の舎」の価値を訴え、保全運動を呼び掛けているのは、建築士の足立正智さん。建築士のグループ向けにFacebookに投稿した。

「庁の舎」は1963年に作られた建物で、後に大阪万博のエキスポタワー、沖縄海洋博のアクアポリスなどを設計する菊竹清訓氏によるものだ。元の庁の舎が1953年に焼失したため、防火性能が高く、災害にも強い鉄筋コンクリート構造になっている。歴史の深い出雲大社という場所で、コンクリートという現代的な素材を使い、調和させたことで人気が高かった。

また、菊竹氏は早稲田大学出身で、戸山キャンパス図書館建設にも携わっている。そうした背景から、早稲田大学の学生を中心とした保全運動も立ち上がっている。

しかし、実用面での不具合も無視できない。発端となったFacebookの投稿でも、

「全般的に 意匠と構造技術が高い次元で統合されており、建築の専門家からの評価は極めて高いが、その一方で維持管理面では建設当時から慢性的な雨漏りに悩まされてきたことも指摘しておかねばならない。建設後、エントランス及び中2階の儀式室の内装改変やプレハブ便所の増築、平成の大遷宮に伴う仮拝殿の接続などの改変が行われている」

と指摘されていた。芸術性と実用性のバランスをどうとるかが、議論の中心になっていくだろう。

ツイッターでも、

などの意見が寄せられた。

庁の舎の取り壊しに関して取材を申し込んだところ、出雲大社の担当者は、

「現在公式に発表されている以上の情報はお出しできません」

と答えた。

「特集」の最新記事

2018/6/17 17:00

「徳島県は関西弁に近い」――。大学時代を関西で過ごした筆者は、かつてこのようなことを聞いたことがある。...

2018/6/17 11:00

2019年4月末に天皇陛下が退位し、翌5月1日、新天皇の即位に伴い、元号は変わる。今の元号「平成」と名がつく月日は、2018年で終わることになる。...

2018/6/14 17:00

2019年1月、神奈川県鎌倉市にホテル「鎌倉 古今」が開業する。この「古今」なのだが、ただのホテルではない。建物はなんと、江戸時代の「古民家」をリノベーシ...

2018/6/13 17:15

のこった、のこった――。だが土俵上には、審判と力士がそれぞれ1人。力士は見えない相手と相撲を取り、劣勢に追い込まれ、土俵外に出た。...

2018/6/13 17:00

[文・写真 中丸謙一朗(コラムニスト)]    (前回より)中丸勝典氏は現在、陸前高田市役所の農林課に勤務している。彼は神奈...

東京都 最新記事
2018/6/17

日本は高齢化が進んでいるが、元気なお年寄りは増えている。地域のために「生涯現役」で活躍していただくのは大変ありがたいことだ。しかし、世代交代となると、なか...

2018/6/17

2019年4月末に天皇陛下が退位し、翌5月1日、新天皇の即位に伴い、元号は変わる。今の元号「平成」と名がつく月日は、2018年で終わることになる。ツイッタ...

2018/6/16

徳島県で毎年8月に行われる伝統芸能「阿波おどり」で、2017年まで行われていた「総踊り」を18年は行わない、と各メディアや公式サイトで伝えられた。例年、一...

2018/6/16

漢字の読み書きなどの能力を計る、漢字能力検定(通称「漢検」)。2018年6月12日、その17年度都道府県別合格率が、日本漢字能力検定協会(京都市)から発表...

2018/6/16

「6月16日は何の日?」そう聞かれた時、皆さんなら何の日と答えるだろうか。調べてみると、「麦とろの日」「ケーブルテレビの日」「無重力の日」「アフリカの子供...

注目情報
北九州市

レトロな建造物から角打ちまで。市政55年を迎えた北九州市を紹介!

関連サイト

独自の視点でビジネス&メディアをウォッチ。毎日更新。

セール、クーポンから新商品情報まで、その日に使える掘り出しもの情報満載!

↑上へ