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スープ一面を覆う"タマネギ"が主役! 東京都八王子市の「八王子ラーメン」

at home VOX

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2017.05.09 06:00
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日本各地に根付いた「麺料理」を求めて、全国を巡る「ご当地ヌードル探訪」。今回は東京都八王子市にやってきました。八王子市といえば、古くから修験道の霊山とされ、現在でも観光客や登山者で賑わう高尾山が有名です。また、武田氏・徳川氏に仕えた大久保長安という武将によって市街の基礎が作られた、歴史ある土地でもあります。

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そんな八王子で、地元の人たちに長年愛されているのが「八王子ラーメン」です。しょうゆベースであること、スープの表面を油が覆っていること、そして何と言ってもトッピングに生の刻みタマネギが入っていることが特徴として挙げられるご当地ラーメンです。

1959年ごろに確立し、現在では数多くの専門店が生まれていますが、近年は“進化”した八王子ラーメンを出すお店が増えているようです。そこで、八王子ラーメン"第二世代"のパイオニアとも言える存在、「中華そば専門店 吾衛門」を訪れました!

創業22年目を迎える「中華そば専門店 吾衛門」。西八王子に店を構えてから徐々にリピーターを増やし、現在では雨が降っても雪が積もっても行列が絶えない人気店になったとか。

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早速、一番人気の「中華そば」タマネギ多め、通称“タマネギマシ”を注文してみましょう!

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店主の石川征之さんが持ってきてくれたどんぶりの中には、麺や具が見えないほどのタマネギが! 透き通ったスープを、油をまとったタマネギがぎっしりと覆い尽くしています。

通常の中華そばではレンゲ1杯分のタマネギが、“マシ”になると4杯分が器に投入されます。中には、8杯分の“タマネギマシダブル”や、12杯分の “トリプル”を頼む地元客もいるとか。吾衛門では、毎日12kgものタマネギを使用しているそうです!

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石川さん「僕が知る限りでは“タマネギマシ”をスタートしたのはうちが最初なんです。だからこそタマネギにはこだわっていて、産地にかかわらず時期に合わせて美味しいタマネギを選んでいます。タマネギマシをしたお客さんの9割は、次に来店したときもタマネギマシをリピートしてくれますね。中華そばはもちろん、チャーシューメンなど、どんなメニューにも合うんですよ」

そんなタマネギがたっぷり入ったスープを一口飲んでみると……生のタマネギを食べた時に感じる、あの独特の辛みはほとんどありません! この秘密はなんなのでしょうか?

石川さん「八王子ラーメンの特徴であるスープを覆う油、つまりたっぷりのラードがポイントです。ラードがタマネギとよく絡んで、辛みを抑え、うまみを引き出すんです。使っているのは特製のラード。使用するラードの多寡は店舗によって違いますが、どこもその店特製のラードを使っているんですよ」

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なるほど、それで辛みが少ないんですね。よく見ると、タマネギの粒の大きさがバラバラのようですが……。

石川さん「タマネギはあえてランダムな大きさに刻んでいるんです。大きめに刻めば食感がよくなりますし、細かく刻めばスープにタマネギが溶けてうまみが出ます。タマネギが持つ、両方の魅力を味わってほしくて」

そんなタマネギは、中細麺やスープとの相性も抜群。モチモチで、少し固めのストレート麺は、吾衛門オリジナルなんだとか。水をあまり含ませずに作る、加水率が低めの麺なので、タマネギのうまみが染み込んだスープがよく絡みます。

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スープは、八王子ラーメンのセオリーにのっとったしょうゆ味。濃い口しょうゆのキリッとした香りが食欲を刺激します。しかし、口当たりは柔らかく、味わいは非常にあっさり、それでいてコクがあります。ラードが光る見た目ですが、油っぽさは全くありません。この味の奥深さの秘密は豚のゲンコツや背ガラ、背骨といった豚骨と、かつお節、煮干し、サバ節、それから宗田節といった魚介を使っているからなんだとか。

トッピングは海苔、タマネギの下に隠れたメンマ、チャーシューのみとシンプル。特にチャーシューは、外国産や冷凍のものを一切使わず国産の生豚肩ロースにこだわっているので、繊維を感じさせない柔らかさです。どこから食べてもホロリと解け、うまみが弾ける極上の逸品!

スープ、麺、トッピングすべてとタマネギがマッチしていますが、とりわけモチモチの麺とシャキシャキのタマネギは、異なる食感なのに不思議と調和しています。そのハーモニーを楽しんだ後でスープを飲めば、口の中にまろやかなタマネギの風味が広がります。女性でも最後の一滴まで飲み干せてしまう、優しくて、バランスの良いラーメンでした。

■八王子に来た時はタマネギの食感とうまみを楽しんで
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