若い女性が、神奈川近代文学館の「谷崎潤一郎展」に行列!? いったい何が...
「細雪」「痴人の愛」「春琴抄」などで知られる作家・谷崎潤一郎の没後50年を記念した特別展が、神奈川近代文学館(横浜市)で開催中だ。2015年4月4日に始まったこの文学展に、若い女性が多数来館しているという。実は、それには理由があった。
実在の文豪をモチーフにしたキャラクターが登場するマンガ「文豪ストレイドッグス」(原作:朝霧カフカ、漫画:春河35、「ヤングエース」で連載中)とのコラボキャンペーンが実施されているためだ。谷崎はもちろん「痴人の愛」のヒロインをモチーフにしたとみられる「ナオミ」と呼ばれるキャラクターも作中に登場しており、同展とのつながりは深い。
芥川龍之介や国木田独歩などのキャラクターが繰り広げる「文豪異能力バトルアクション」だという同作は、「文豪女子」という言葉が生まれるほどの人気コミック。昨年同館で行われた「太宰治展」とのコラボキャンペーンには約2000人のファンが来館したという。
今回のコラボキャンペーンでは、期間中に「文豪ストレイドッグス」関連書籍を持参した人に、先着で特製缶バッジをプレゼントする。マンガの作画を担当する春河35さんが描き下ろした太宰治、谷崎潤一郎、ナオミの3種類のバッジを各2000個用意した。谷崎とナオミのバッジは5月2日からの配布となるので注意が必要だ。
そのほか、コミック原画の展示や限定グッズの販売が行われるという。ツイッターでは、「文豪女子」のつぶやきも多数みられた。
特別展「没後50年 谷崎潤一郎展 ―絢爛たる物語世界―」は5月24日まで開催される。14年11月に発表されたばかりの、谷崎の妻・松子へあてた膨大な書簡などの新資料を中心に展示し、芸術に生涯を捧げた文豪の足跡をたどるという。
観覧料は一般600円、65歳以上と20歳未満及び学生は300円、高校生100円、中学生以下は無料だ。
また、5月1日から31日にかけて、「文豪ストレイドッグス」をテーマにしたスタンプラリーが横浜市全域にわたって開催される。作品の舞台が横浜であることにちなんだ企画で、神奈川近代文学館も5月15日からスタンプポイントとして参加するという。